呪術廻戦6【短編集】

最低のヒモ【伏黒甚爾】暁様リクエスト ページ27

甚「ここのハンバーグうめぇよな」


「そりゃ人の金だし、余計にね」


甚「冷てぇな。お前と食うからうまいんだろ」


「…あっそ」




そっぽ向いたAの耳が赤い。
こいつの照れるポイントがイマイチ分からん。




女「やっと見つけた！」


甚「げ、」


「誰？」


女「アンタ！金返しなさいよ！」




このヒステリックな女は前にヒモしてた女。




女「早く返しなさいよ！」


甚「店に迷惑かかんだろ」


女「私はあんたに散々迷惑かけさせられてんだけど！てか、アンタ金もないくせに若い女と遊んでんじゃないわよ！」


甚「テメーに指図される覚えねぇんだけど」


「…私、もう行くね」


甚「は？置いてくなよ」


「私関係ないもん」





なんて席を立つAの腕を捕まえたのは女。





女「今こいつがヒモしてんのはアンタんとこでしょ！関係あんだろ！」


「は？ないっての。ただご飯奢っただけだし」


女「なにその私興味ないみたいな顔。うっざ、このブス！」


「…(カッチーン)」


甚「おい、その辺にしとけよ。また金出来たら返すから」


女「そう言ってばっくれんでしょ！今すぐ払いなさいよ！」




なんて女が俺に掴みかかろうとした時、Aが机をバンっと思い切り叩いた。
一瞬で静まる俺と女。




「さっきから聞いてりゃあ何なの。こいつが最低なヒモ男なんて最初からわかってんだろ。それで金返せ？こいつが金返せるもんならヒモなんてやってねぇんだよ！見てわかんない？高校生の私にまで奢らせるわけ。挙句に俺を養える女になれとか言われてんのよ？そんな最低な奴が金なんてあるわけないでしょ！このドブス！」





散々俺を罵った挙げ句、女にもブスと言い放ったA。
その手には諭吉さんが何十枚か握られていて、それを女に差し出している。





女「え、」


「今これしか持ってない。足りる？」


女「…た、足ります」


「じゃあ早くお店の人たちに謝って出てって。迷惑かけたんだから」


女「…す、すみませんでした」




女は素直に従い、店を出ていった。
Aを見てちらほら拍手してる奴らが何人かいるんですけど。





甚「A、俺のために…」


「私、ブスって言われんの一番腹立つのよね」


甚「あ、キレたとこソコですか」


「あームカつく！」


甚「やっぱ俺を養える女はお前しかいねぇな」


「…高校生に平気でそんなこと言えるアンタに拍手するわ」


甚「照れる」


「やかましい」

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