小話 彼女のかくしごと�� ページ47
「五条先輩みたいだなって思ったら、どうしても欲しくなっちゃって…お揃いで二つ買ったんです」
「じゃあ…お前の部屋にもあるってこと？」
「はい、…嫌でした？」
「いや…やばい。自分でもびっくりするぐらい、嬉しい」
「ふふふ」
「よかった」なんて言って笑い、宮井は部屋の電気を点けようと立ち上がった。
「先輩…？」
──────その手を、無意識のうちに掴んで。軽く引き寄せると、バランスを崩した宮井が俺の方へ倒れ込む。…そうすると、俺たちの距離がたった数センチになって──────宮井の瞳に、俺が…俺だけが、映った。
「…ごじょう、せんぱい…近いです…」
「このままキスしていい？」
「さっきみたいに、酷くしないなら…」
「絶対しない」
するりと指を絡めると、宮井は頬を赤く染めつつ、ふっと目を閉じる。
…ああ、好きだ。どうしようもなく。精一杯の愛を込めて口付けをし、その小さな頭を軽く撫でた。
…そっと唇を離すと、宮井は赤くなった目元で、じっと俺を見つめる。そんな視線から俺はフイと目を逸らし、…宮井に触れていた手を離した。
…これ以上は、ダメだ。
もう、俺の理性がもたない。
「…宮井」
「はい？」
「部屋まで送ってくから、お前もう帰れ」
「え！？急に！？」
「うるせぇ！もう遅いし、部屋戻って寝ろ！」
「は、はぁい…」
半ば強引に宮井を部屋から引きずり出し──────俺はバクバクとうるさい心臓の音を宮井に悟られないよう必死になりながら、宮井の手を引いて廊下を出た。
「五条先輩、どうして怒ってるんですか？眠いとか？」
「別に怒ってねーよ！つーかお前、まさかプレゼント渡しただけで満足してねぇだろうな？当日忘れてたりしたら承知しねぇぞ」
「わ、忘れませんよ…！おっきなケーキも予約して、──────あ…！」
「ふぅん？ケーキ予約してんだ」
「あぁあ〜、もう…！」
生意気にもサプライズを企てていた宮井の計画は、こんな感じで頓挫してしまい。
嘘も隠し事もヘタクソな宮井が精一杯祝ってくれた俺の誕生日は──────きっと一生忘れることのない、かけがえのない思い出の一つになることだろう。
「来年こそは、サプライズ成功させますからね…！」
「それもうサプライズじゃねぇよ、宣言しちゃってるじゃん。…ま、楽しみにしといてやるよ」
＝＝＝
宮井が誕生日当日じゃないのにプレゼント渡しに来た理由は、文字数が足りないのであとがきに書きます！
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つく(プロフ) - のみさん» のみ先生ありがとうございます…！のみ先生からの励まし、とても力になりました。今後ともよろしくお願いいたします…！ (2021年2月20日 13時) (
レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - へかーてぃあ@夢見月*小夜セコム隊さん» ｵﾜｧ！最初から読んでいただいてありがとうございます…！続編についてもいつか公開すると思いますので、また楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - 晩鶴紫呉さん» ありがとうございます〜！続編についてもぽちぽち書き進めている最中ですので、いずれ公開します！ (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - はにゃさん» ありがとうございます！続編もいずれ公開されると思いますので、その際はよろしくお願いします〜！ (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - 五音さん» コメントありがとうございます！続編については制作中ですので、ある程度アップできる状態になったら公開しようと思います〜！ (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つく | 作成日時：2021年1月16日 1時
