先生 ページ34
「五条先輩」
私が呼ぶと、先輩は視線とふっとこちらに向けて、「おう」と短く返事をした。
「卒業おめでとうございます」
「何だよ、改まって。明日からも会えんだろ」
「そうですけど、言いたかったんです」
「…そっか」
「ありがとな」と言って、私の頭を撫でる五条先輩。この卒業ムードのせいか、はたまた胸に飾られた花のせいか…その姿がいつもよりも大人びて見えて、なぜだか少し寂しくなった。
しんみりとした気持ちを誤魔化すように、手に持っていた紙袋を五条先輩に差し出す。受け取って中身を見た先輩は、「花束？宮井が考えそうなこった」と笑った。
…確かに、「先輩たちに花を贈ろう」と言い出したのは私だ。でも、お店に選びに行ったのは七海と私の二人。時間をかけて先輩たちのために選んだ、今日のための贈り物。
花なんて生まれてから散々もらってるはずなのに、五条先輩はこれ以上ないくらいに嬉しそうに目を細めた。
照れくさそうに「嬉しい」と言う先輩の顔を写真に撮って、七海に見せてあげればよかったな。そう、思うくらい。
「…それにしても、本当に先生になっちゃうなんて」
―――卒業後、五条先輩は教師を目指すらしい。
いつだったか、五条先輩は先生に向いてるかもしれないと言ったことがある。あの時、五条先輩は「柄じゃない」と笑いながらも、私がそこまで言うならと、その未来もいいかもしれないと言ってくれた。
あれから時が流れて、「教師を目指すことにした」という話を聞いたのは、半年くらい前のこと。…それを聞いた時、私はすごく嬉しかった。五条先輩なら、きっといい先生になる。その言葉は、本当に本心だったから。
「まあ、たぶんいきなり教師として働けるわけじゃないけど。任務こなしながらぼちぼちってところかな〜、まずは」
「五条先輩なら、きっといい先生になります」
「そうだな。俺スーパーイケメン完璧超人だから、生徒にモテまくって困っちゃうかも」
「その性格なら、たぶん大丈夫だと思いますよ」
「どういう意味だよ！宮井のくせに生意気〜」
五条先輩、先生になってもこのオラついた態度で生徒と接するつもりだろうか。と、髪の毛をぐしゃぐしゃにされながら考える。前に夏油先輩に「言葉遣いを直せ」と注意されていた五条先輩の様子を思い出して、心の中で苦笑した。
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つく(プロフ) - のみさん» のみ先生ありがとうございます…！のみ先生からの励まし、とても力になりました。今後ともよろしくお願いいたします…！ (2021年2月20日 13時) (
レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - へかーてぃあ@夢見月*小夜セコム隊さん» ｵﾜｧ！最初から読んでいただいてありがとうございます…！続編についてもいつか公開すると思いますので、また楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - 晩鶴紫呉さん» ありがとうございます〜！続編についてもぽちぽち書き進めている最中ですので、いずれ公開します！ (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - はにゃさん» ありがとうございます！続編もいずれ公開されると思いますので、その際はよろしくお願いします〜！ (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
つく(プロフ) - 五音さん» コメントありがとうございます！続編については制作中ですので、ある程度アップできる状態になったら公開しようと思います〜！ (2021年2月20日 13時) (レス) id: 90f06cbeae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つく | 作成日時：2021年1月16日 1時
