五条悟の彼女ちゃん【五条悟】

熱くて、寒い ページ4

「けほ、けほ」



任務を終えて高専に戻る最中。


私はけほけほと渇いた咳をしながら、やっとのこと思いでふらふらと帰着した。



どうやら、風邪を引いてしまったらしい。


そして、無理をして任務へ出たせいで、悪化したらしい。


らしいらしいって、まったくもって他人事ではないのだけど…。



試しに自分のおでこに手を当ててみると、とんでもなく熱い。「あったかい」レベルではなく、「熱い」。なのに先ほどから寒気が止まらないし、勝手に体が震え出す。自分の体を抱きかかえるような変な体勢になりながら、懸命に頭を回した。



「…先生のとこ、行かなきゃ…」


まず先生に報告をして、それから…家入先輩に診てもらおう。


そう思い、止めていた足を動かして歩き出す。


…が、熱で力の入らない体では歩くことさえもままならず。ふらりとバランスを崩し、そのまま地面に転がってしまった。


起き上がれないし、頭まで痛くなってきた。こんなに高熱を出したことなんて今までにないから、どうしたらいいのかも分からない。…というか、誰かが見つけてくれないと、最悪このまま高専の敷地内で倒れたまま、夜を明かすことになるのでは…。


こわい、くるしい、あつい、さむい。


いろんな感情に脳が支配されて、ぽろりと目から涙がこぼれた。




「…せんぱい………」






『何だよ宮井、風邪か？あぶねーから任務とか行くんじゃねーぞ。分かったか？』



薄れゆく意識の中で、ふと頭をよぎったのは、昨日言われた五条先輩の台詞。




そうだ、ちゃんと言われたのに。


何やってるんだろう、私。





…こんなんだから、五条先輩に「ガキだ」って言われるんだろうなぁ。



…ごめんなさい。先輩。

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