30話 ページ30
あなたside
＿＿＿＿もう、あの2日間には戻れないもんね。
シルクと過ごした2日間の三ヶ月後の今日に、印のついたカレンダーを見て思い出した。
三ヶ月経った今、シルクのことに関してスッキリしかけている自分にまた、尻軽だなぁなんて思う。
もう春だな。
なんて私らしくも無いことを思って、四月の暖かい日差しの中1人でカレンダーを眺めた。
一人暮らしの部屋の隅は、冷たい筈なのに、シルクのことを思い出すと暖かく感じられた。
＿＿＿＿『好きだよ、A』
そう言ってはにかんだシルクの顔と、
筋肉質な腕と胸板と、
優しい声が
ほんのりと蘇った時、今までに無いくらいドキドキするのは、たまにあること。
その度に、どれだけシルクのこと好きなんだろう。なんて思うけど、心が痛くなるから考えるのをやめて、やめてやめて。
結局、今日までこんなふうにズルズルと引きずってしまっていた。
＿＿＿＿あれ以来、マサイとは連絡を取るけど、シルクから連絡は来なくて、少し寂しい気持ちにもなった。
｢一応、Aの気持ち伝えたんだけど。ごめんな｣ってマサイが言ってくれるから、余計に心が痛くなった。
…私の気持ちを知ってて、連絡をくれないんだ。
じゃあ、｢結婚しよう｣っていうのも、そんな軽いものだったんだね。
って考えちゃう私は重いのかな。
色々と考えていたら、自然とまた涙が溢れてしまった。
＿＿＿＿『次会うのは3ヶ月後だっけ』
三ヶ月後にデートするって約束したのをちゃんと覚えていて、きちんと仕事を空けてる私って、やっぱりシルクのことが好きなんだと思う。
＿＿＿＿ずっと、心のどこかでシルクのことを待っているからなんだと思うよ。
そう思って、また苦しくなって、1人でカレンダーを片手にうずくまって泣いていると、
.
．
.
ピンポーン
そうインターホンが鳴って。
…嘘。もしかして。
と期待しながら立ち上がって、玄関にヨロヨロしながら向かう。
…シルク？
キィと音がするくらい、ゆっくりと扉を開けると、生ぬるい風が吹き込んで、桜吹雪が玄関に少し舞い込んだ。
薄めた目を、ゆっくりと目を開けると、
＿＿＿＿｢…マサイ｣
そこに居たのは、望んではいない人だった。
でも、マサイは凄く優しい顔をしてた。
．
.
．
＿＿＿＿マサイ｢泣いてるだろうと思って迎えに来た。
これからデートでもどう？｣
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おさかなマン(プロフ) - もう終始キュンッキュンです！次回が楽しみすぎます！！！ (2018年9月30日 0時) (
レス) id: 3258402eb8 (このIDを非表示/違反報告)
乙葉(プロフ) - レンズと君とは違い立場が変わり、とても楽しく読まさせて貰ってます。本当にいつもありがとうございます！頑張って下さい！ (2017年2月27日 22時) (レス) id: b305c76d28 (このIDを非表示/違反報告)
出雲 晴留(プロフ) - gray22さん» もう既に号泣ですっ！ (2017年2月26日 20時) (レス) id: a897dc61cf (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - お茶呑み星人さん» 凄い褒めていただいて…嬉しい(*^_^*)ありがとうございます！こちらこそ、大切に読んでくださりありがとうございます(^^) (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - 出雲 晴留さん» 遅れました！マサイくん好きなので笑 嬉しすぎますありがとう(*^_^*)27000hitびっくりしました笑 凄い！ これからも楽しみにいて頂けるよう頑張ります！ (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gray22
| 作成日時：2017年1月10日 20時
