26話 ページ26
あなたside
＿＿＿＿｢本当にありがとう。もう、寒いし帰ろ｣
マサイが、飛び出してきてくれたからか凄く薄着で寒そうだった。
だから、我慢出来なくてそう言って立ち上がる。
マサイ｢もう大丈夫なの？｣
｢うん、ほら、私飽き性だからさ。しばらく会わないうちに意外とサッパリしちゃうかも笑｣
なんて根拠の無い嘘をつくと、マサイは｢そう｣と言って立ち上がった。
…あんまりマサイに心配かけたくないし。
＿＿＿＿マサイ｢心配かけていいんだよ、俺に｣
ズキンと心が痛くなる。
まさに今考えていた事を、マサイはポロッと口にして心配そうに私を見つめた。
彫りの深い整った顔立ちが街頭の光に照らされて。
昔とは違う、頼り甲斐のあるその瞳に吸い込まれそうになった。
思わず、…超能力でも使えるの？なんて思ってしまう。
｢うん、ありがとう。でも今日は充分。笑｣
マサイ｢…ならいいんだけどさ｣
これ以上甘えたくなくてそう言うと、マサイは私の少し前を歩き出す。
昔より一回り大きくなったその背中を見上げてぼーっとしてると、マサイは振り返って｢行かねーの？笑｣って少し悲しそうに笑った。
｢ううん、行く｣
慌てて付け加えて、隣に並んだ。
＿＿＿＿朝、シルクと歩いた道を、夜、マサイと歩くなんて思わなかったな。
均等間隔に置かれる街頭の三つ先を、ぼんやりと眺めながら歩く。
もともと無口なマサイとの間には、心地よい無言の空気が流れて、歩きながら寝そうだな…とか思ったり。
シルクのことを思い出しても、暖かい気持ちでいられるのは、マサイの心が暖かいからなんだろうな。
…ふとした瞬間に、マサイは｢にしても｣なんて言って沈黙を破った。
マサイ｢お前色々あったんだな、2日間｣
｢うん｣
マサイ｢シルクがそんなこと言うなんて思ってもみなかったし｣
｢私もびっくりだよ｣
マサイは｢だよな｣と優しく笑って、心のどこかでシルクを求めてる私の心を癒した。
マサイ｢2日でベタ惚れなお前にもびっくりだけど笑｣
｢うるさい笑｣
マサイ｢ごめん笑｣
間に受けて素直に謝るマサイが可愛くて笑うと、｢笑うな｣って怒られた。
何だかんだで楽しく談笑してると見えた私の家の玄関。
ここまで来てやっと、さり気なく送ってもらったことに気がついた。
｢最後まで優しいね、マサイは｣
私の言葉に｢まあね｣と笑ったマサイは続けた。
＿＿＿＿マサイ｢俺が1番近くで応援してるから。頑張れよ｣
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おさかなマン(プロフ) - もう終始キュンッキュンです！次回が楽しみすぎます！！！ (2018年9月30日 0時) (
レス) id: 3258402eb8 (このIDを非表示/違反報告)
乙葉(プロフ) - レンズと君とは違い立場が変わり、とても楽しく読まさせて貰ってます。本当にいつもありがとうございます！頑張って下さい！ (2017年2月27日 22時) (レス) id: b305c76d28 (このIDを非表示/違反報告)
出雲 晴留(プロフ) - gray22さん» もう既に号泣ですっ！ (2017年2月26日 20時) (レス) id: a897dc61cf (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - お茶呑み星人さん» 凄い褒めていただいて…嬉しい(*^_^*)ありがとうございます！こちらこそ、大切に読んでくださりありがとうございます(^^) (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - 出雲 晴留さん» 遅れました！マサイくん好きなので笑 嬉しすぎますありがとう(*^_^*)27000hitびっくりしました笑 凄い！ これからも楽しみにいて頂けるよう頑張ります！ (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gray22
| 作成日時：2017年1月10日 20時
