23話 ページ23
あなたside
＿＿＿＿｢もしもし｣
布団の中から、震える声を誤魔化すようにマサイに言う。
マサイ『…もしもし』
中学生の時より、低くて逞しい声で言ったマサイは、昔の大人しくて気弱なマサイとは思えない。
昨日も凄くびっくりした。
前からイケメンだなーとは思ってたけど、あそこまでイケメンになるとは。
…時間ってすごい。
改めて実感しながら｢どうしたの？｣と聞く。
マサイ『リュックにAの髪留めが入ってたんだよね』
｢あっ、え、嘘｣
慌てて布団から飛び出てバックの中を漁るも、やっぱり見当たらなかった。
｢あー、ごめん、ありがとう｣
マサイ『大丈夫。明日でよければ持ってくけど』
｢うん、お願いします。私の家わかる？｣
マサイ『多分ね。中3の時行った記憶ある』
｢お、良かった。本当にありがと〜｣
手短に話を済ませて、｢じゃあ、明日ね｣と電話を切ろうとすると、『待って』とマサイに止められた。
｢んー？｣
聞いてみるも、なかなか返事が来なくて｢おーい｣と呼びかけた。
＿＿＿＿マサイ『やっぱ今から行く』
｢…えっ？｣
突然の発言に思わず声が詰まり漏れると、受話器の向こうからガチャッとドアが開く音がした。
…絶対今家出たよね。
慌てて、ベッドから飛び起きて、隣にあった鏡に映った自分の顔を見て、愕然とする。
泣いてたから、目がパンパン。
｢…うぁ、顔酷い｣
マサイ『そりゃ泣いてるからな』
電話してた事を忘れてつぶやくと、受話器の向こうから声が返ってきて、ギクッとした。
｢…バレてた？｣
マサイ『バレバレ。声震えまくり』
マサイは走ってるのか、ハァハァと息が切れる音と共に、私に言う。
マサイ『見えた、もう着く』
｢どうしよう、ちょっと困る。本当に酷い｣
マサイ『大丈夫、Aは酷くても可愛いから』
…え？
不意に言われたさり気ない言葉に、｢今なんて…｣とマサイに聞こうとすると、それを遮るように『ドア開けて』と声がした。
ドキドキしながらも、渋々ドアを開ける。
背が高いマサイをゆっくりと見上げると、そっと私を見下ろすマサイ。
やっぱり息を切らしていて。
手の甲で口元を隠しながら、恥ずかしそうにそっと私から目を離した。
その大きくて綺麗な形をした目に、引き込まれそうになる。
＿＿＿＿マサイ｢…何があったか、教えて｣
そのあまりに優しく甘い言葉に、私は何も言わずには居られなかった。
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おさかなマン(プロフ) - もう終始キュンッキュンです！次回が楽しみすぎます！！！ (2018年9月30日 0時) (
レス) id: 3258402eb8 (このIDを非表示/違反報告)
乙葉(プロフ) - レンズと君とは違い立場が変わり、とても楽しく読まさせて貰ってます。本当にいつもありがとうございます！頑張って下さい！ (2017年2月27日 22時) (レス) id: b305c76d28 (このIDを非表示/違反報告)
出雲 晴留(プロフ) - gray22さん» もう既に号泣ですっ！ (2017年2月26日 20時) (レス) id: a897dc61cf (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - お茶呑み星人さん» 凄い褒めていただいて…嬉しい(*^_^*)ありがとうございます！こちらこそ、大切に読んでくださりありがとうございます(^^) (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - 出雲 晴留さん» 遅れました！マサイくん好きなので笑 嬉しすぎますありがとう(*^_^*)27000hitびっくりしました笑 凄い！ これからも楽しみにいて頂けるよう頑張ります！ (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gray22
| 作成日時：2017年1月10日 20時
