21話 ページ21
あなたside
＿＿＿＿シルクは抱きしめた手を少し緩めて、その身長の割に大きくてゴツゴツした手で私の頭をクシャッとした。
＿＿＿＿ダメだ。好きすぎる。
1日でこんなに好きになっちゃった。
シルクの自信満々のその笑みがずるいよ。カッコイイよ。
でも何より、自分の尻軽さが、気持ち悪い。嫌い。
｢…ばっ、ばいばい｣
シルク｢えっ、おい、ちょっ｣
嬉しさと恥ずかしさと気まずさと醜さで、複雑で。
私は何も言わないでシルクの腕から逃れて家の扉に飛び込んだ。
ドアに背を向けて、体重を委ねる。
ドアの向こうから｢意味わかんねえ｣とため息混じりの声が聞こえて胸が痛くなる。
＿＿＿＿何故か、涙が出てきた。
軽々しい気持ちで接していた自分が、憎くなってきた。
何も言えない自分が憎くなってきた。
＿＿＿＿全ては先輩を忘れさせるため。
そんな軽い気持ちだったのに、1日で、たった1日でこんなにも虜になっちゃった。
大好きなあの声で、｢好きだよ｣なんて言われたら、もう居てもたっても居られなくて、足がすくんで、その場にしゃがみこんだ。
＿＿＿＿私も、好き。
シルク以外、見れなくなりそう。
シルク以外、求められなくなりそう。
シルク以外、想えそうに無い。
＿＿＿＿行かないで。
ドアの向こうにいるシルクを引き止められない自分ってどうなんだろう。
薄らとドアを開けて、ドアの向こうの人影を確認するも
＿＿＿＿｢…いない｣
シルクはそこには居なくて、また涙で視界が霞む。
本当は好きだよ。大好き。
初恋も、今も全部シルクしか見てない。
最初からシルクだけだったの。
今更そんなことを言っても、通じないのは分かってる。
…所詮、たった1日の関係だったのかもしれない。
＿＿＿＿複雑な感情に着いていけない私は、ただ、ドアの向こうにさっきまでいたシルクを想って、泣いた。
好きです。大好きです。
それだけを心の奥で呟いて泣いた。
＿＿＿＿涙か枯れて、疲れてベッドで寝ていたら、｢帰ってきて早々何泣いてるの？｣なんてお母さんが宥めに来た。
｢うるさい｣なんて中学生時代みたいな、単価な反抗をして、ベッドでの布団に潜って拗ねていたら、ピピピと明るくなる着信音。
…もしかして
なんて淡い期待を持って画面を見ると、『マサイ』の文字。
…なんだ。
すっごいガッカリしてる自分を攻めながら、珍しいな、なんて思って電話に出てみた。
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おさかなマン(プロフ) - もう終始キュンッキュンです！次回が楽しみすぎます！！！ (2018年9月30日 0時) (
レス) id: 3258402eb8 (このIDを非表示/違反報告)
乙葉(プロフ) - レンズと君とは違い立場が変わり、とても楽しく読まさせて貰ってます。本当にいつもありがとうございます！頑張って下さい！ (2017年2月27日 22時) (レス) id: b305c76d28 (このIDを非表示/違反報告)
出雲 晴留(プロフ) - gray22さん» もう既に号泣ですっ！ (2017年2月26日 20時) (レス) id: a897dc61cf (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - お茶呑み星人さん» 凄い褒めていただいて…嬉しい(*^_^*)ありがとうございます！こちらこそ、大切に読んでくださりありがとうございます(^^) (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - 出雲 晴留さん» 遅れました！マサイくん好きなので笑 嬉しすぎますありがとう(*^_^*)27000hitびっくりしました笑 凄い！ これからも楽しみにいて頂けるよう頑張ります！ (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gray22
| 作成日時：2017年1月10日 20時
