19話 ページ19
シルクside
＿＿＿＿なんで、逃げないんだ？
頭の中で何度も問うけど、わかる訳も無い。
俺が唐突にプロポーズしようが、キスしようが、抱きしめようが、全部受け止めるその心はどうなってる？
…どうせ、Aにとって、俺は、誰かを忘れさせる道具でしかない。
聞いたところで、答えは分かっていたはずなのに。
辛い。
＿＿＿＿また、衝動的にキスした俺を｢…ほら、分かんないじゃん｣と顔を赤らめて逸らす、その仕草は何なんだ。
俺は、こんなにも、可愛いと思ってて、愛しくて、全部俺の物にしたいのに。
伝わってるのは、俺の思いのどんだけだろうか。
｢…言うこと聞かないからね｣
シルク｢は？三分経ったし、俺の勝ちだし｣
｢今充分したじゃん｣
シルク｢今ので足りないって言ったらどうする？｣
俺の言葉を聞いて、慌てて、照れてるのを隠すようにボコッと腹に一発グーパンされる。
でも、その顔は嬉しそう。
…その表情が、たまんねえ。
可愛くて、無邪気で、照れてるような、そんな顔いっぱいの笑顔が、俺の胸を締め付ける。
｢どうもしない｣
シルク｢したいクセに。嘘つかなくていいんだぞ笑｣
｢うざい笑｣
そう言ったAは、俺を微笑んで見つめて。
透き通るようなその綺麗なその瞳に引き寄せられるように、もう一度唇を重ねようと、Aの頬に手をやった。
｢どんだけすれば気が済むのよ｣
近づいて、唇が触れそうになった時、ぼそっと呟いたA。
＿＿＿＿シルク｢Aが振り向いてくれるまでするつもり｣
俺が、すぐさま言うと、Aは何かを言い堪えたように眉をひそめた。
｢＿＿＿＿っ、｣
何を言おうとしたんだ？
＿＿＿＿もし、『もう好きだよ』なんて言ってくれたらどんなに嬉しいだろう。
ある訳もないのに。そんなことは、ある訳もない。
考えなきゃ良かった。と後悔する前に、
シルク｢何か言おうとした？今｣
俺が聞いても、
｢何も言おうとしてない｣
アッサリそう返された。
シルク｢…あっそ｣
悔しくて、Aの顔から手を離すと、Aは少し驚いたような顔をして、その後すぐに寂しげな顔つきになった。
…好きな人がいるなら、そんな顔すんなよ。
俺以外に見せんな。俺だけに見せてればいい。
俺だけを見てればいい。
俺は、ずっとAしか見てねえのに。
これっぽっちも伝わってねぇのに。
結局また、俺だけがAに溺れる。
＿＿＿＿溺れて、息ができなくなる。
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おさかなマン(プロフ) - もう終始キュンッキュンです！次回が楽しみすぎます！！！ (2018年9月30日 0時) (
レス) id: 3258402eb8 (このIDを非表示/違反報告)
乙葉(プロフ) - レンズと君とは違い立場が変わり、とても楽しく読まさせて貰ってます。本当にいつもありがとうございます！頑張って下さい！ (2017年2月27日 22時) (レス) id: b305c76d28 (このIDを非表示/違反報告)
出雲 晴留(プロフ) - gray22さん» もう既に号泣ですっ！ (2017年2月26日 20時) (レス) id: a897dc61cf (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - お茶呑み星人さん» 凄い褒めていただいて…嬉しい(*^_^*)ありがとうございます！こちらこそ、大切に読んでくださりありがとうございます(^^) (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - 出雲 晴留さん» 遅れました！マサイくん好きなので笑 嬉しすぎますありがとう(*^_^*)27000hitびっくりしました笑 凄い！ これからも楽しみにいて頂けるよう頑張ります！ (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gray22
| 作成日時：2017年1月10日 20時
