16話 ページ16
あなたside
＿＿＿＿中学校に行きたくなった。
もういつ来れるか分からないし、いつ『行きたいなぁ』なんて思うかも分からない。
そう思うと寂しくて、辛くて、この淡い気持ちを残しておきたくて。
私の前を歩く見慣れた背中に声をかけた。
シルク｢Aってバスケ上手かったよな｣
｢一応バスケ部だったからね｣
黙っていても落ち着く空気感の中、ぽつっとシルクが呟いた。
実は私もシルクもバスケ部だった。
シルクに至ってはキャプテンだったっけ。
…お陰でモテてた訳だ。
シルク｢じゃあ今度バスケしよっと｣
もうする前提なのね。
そう思いながらも、強引なところが嫌いじゃなくて、いいかもねと返事をした。
＿＿＿＿こんな風に、甘酸っぱい空気で、シルクと手を繋いで通学路を歩くなんて想像できたかな？
…絶対無理。
そうだと思う。
私は他の人が好きで。
そんな私をシルクが好きで、突然プロポーズしてきて。
勢いのまま付き合うことになって。
…次はいつ会えるか分からなくて、お互いに寂しくなって、デートして。
こんなこと、想像出来るわけない。
＿＿＿＿そんな風に思ってると、あっという間に着いた中学校。
祝日ってこともあってか、人がまるっきりいない。
人気がしない。
＿＿＿＿シルク｢入ってみねえ？｣
そんな様子を見て、ニカッと爽やかに笑ったシルクの目尻に、キュンとした。
思わずうん、と頷く。
校門を軽々と乗り越えて行ったシルクは、私をゆっくりと抱き上げて、中学校の中に連れ込んで
ふわっと丁寧に着地すると、至近距離でぶつかる視線。
そのままギュッと抱きしめられる。
その優しい手つきに、甘い顔からは想像出来ない肉体に、虜になりそうな自分を攻めた。
…こんなに簡単に惚れていいの
認めたくなくて、そっと目をそらした。
自然と恋人繋ぎになる手に引かれて、付いていけば、懐かしい風景。
いつもFischer'sと待ち合わせした木の下。
シルクと2人でよく話してた、バスケ部の部室。
みんなで遊んで怒られた中庭。
全部が、愛しく感じた。
シルク｢俺よくここで弁当食ってた｣
｢食べてたね笑 バレンタインもよくここで貰ってたじゃん笑｣
シルク｢よく覚えてんな笑｣
｢どれだけ一緒にいると思ってんのよ笑｣
私が言うと、シルクはちらっと横目に私を見て｢なぁ｣と口を開く。
シルク｢幼なじみって思ってるだろ、俺のこと
＿＿＿＿彼氏って思っとけよ｣
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おさかなマン(プロフ) - もう終始キュンッキュンです！次回が楽しみすぎます！！！ (2018年9月30日 0時) (
レス) id: 3258402eb8 (このIDを非表示/違反報告)
乙葉(プロフ) - レンズと君とは違い立場が変わり、とても楽しく読まさせて貰ってます。本当にいつもありがとうございます！頑張って下さい！ (2017年2月27日 22時) (レス) id: b305c76d28 (このIDを非表示/違反報告)
出雲 晴留(プロフ) - gray22さん» もう既に号泣ですっ！ (2017年2月26日 20時) (レス) id: a897dc61cf (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - お茶呑み星人さん» 凄い褒めていただいて…嬉しい(*^_^*)ありがとうございます！こちらこそ、大切に読んでくださりありがとうございます(^^) (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
gray22(プロフ) - 出雲 晴留さん» 遅れました！マサイくん好きなので笑 嬉しすぎますありがとう(*^_^*)27000hitびっくりしました笑 凄い！ これからも楽しみにいて頂けるよう頑張ります！ (2017年2月20日 20時) (レス) id: 8a5be1dd18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gray22
| 作成日時：2017年1月10日 20時
