罪状39 ページ40
刑事らの目線が一気に彼に向く。
「いやいやいや、確かに僕は普段調理のためにナイフを使ってますが…、断じて殺人なんてしてません!」
だが、疑いの眼差しは消えない。
『鑑識さん。そのナイフの指紋から、どのような風に握られていたか、わかりますか。』
静かに問う。
「えぇ、このように、普通のペティナイフを持つような具合で。」
鑑識が、ボールペンを使い再現する。
世間一般的にりんごの皮を剥くときのような感じだ。
『では彼が殺めたのか。』
「それは違う。ですよね?」
降谷がこちらを見てほくそ笑む。
もう彼はわかったらしい。
「ナイフは被害者の背中に斜め上らへんから刺さっていました。」
「指紋がついていたような握り方では、斜め上から刺すのは無理があリます。」
その通りだ、と頷く。
納得したらしく、周りからの疑いの目が晴れた厨房の容疑者は安堵していた。
犯行に使われたナイフが普段から厨房で使用されていたか。
指紋を他のナイフから取って偽装したか。
どちらにせよ、彼は一旦おいておいていいだろう。
次にホールに出ていた1人と隣客の1人だが。
「僕がトイレに立った時は死体はありませんでしたよ。」
「彼女じゃないんですか、私、被害者の方がトイレを使っていた音を聞いてるんですよ直前まで。」
おっと、矛先がこちらに向いたようだ。
諸伏に目を合わせ、証言してもらう。
「彼女は店に入ってから死亡推定時刻の前後まで、ずっと僕の隣にいました。」
「それは俺たちも確認してる。」
刑事が証言した、ということでホールの彼女は口をつぐんだ。
まぁ、疑われてもしょうがないだろう。
第一発見者が犯人でしたパターンも何回か見てきている。
「なぁ、あんたじゃないのか。犯人。」
威圧的な口調が店内に響く。
松田だ。
あんた、と言われてたじろぐホールの彼女。
「ちょっとあんた失礼でしょ?」
女性の刑事が松田を宥めている。
あの様子じゃ普段からあのように容疑者に鎌をかけているのだろう。
警察のやり方に口出しはしないが、色々と問題があるようならば訴えられるぞ、容疑者に。
142人がお気に入り
「名探偵コナン」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つむやぎ(プロフ) - 明里香さん» 誤字脱字、ご指摘いただきありがとうございます…!修正させていただきますね。 (12月5日 16時) (レス) id: 0e2e7bdab8 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 24話、言われたことがるじゃなくて、言われたことがあるです。 (12月5日 10時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 17話、ミステリー付きじゃなくて、ミステリー好きです。 (12月5日 10時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 4話、私を読んだじゃなくて、私を呼んだです。 (12月5日 9時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 3話、犯行動悸じゃなくて、犯行動機です。 (12月5日 9時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:I luck | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/topaazu/
作成日時:2023年1月28日 8時