罪状３３ ページ34
わいわいと賑わう焼肉屋。
その一角を陣取っている私達は、それぞれの頼んだお肉を焼きながら談話を楽しんでいる。
わけではない。
談話というよりかは一方的に質問攻めにされているだけである。
あっているのは皆お肉を焼いているという部分だけだろう。
かくいう私も、せせりを焼きながら質問に応じていた。
だが、ずっと質問に応じているということは喉も渇くわけで。
先ほどからトイレをずっと我慢しているわけだ。
『あのー』
私がいうと、一斉に5人が肉から私へと視線を移す。
痛い、痛い、視線が。
俗にいう倒置法を使って、心の中でコメントをする。
「なーに？」
聞いてきたのはロン毛、でわなく萩原である。
私はこんがり焼けたせせりを口に入れ、もぐもぐと食べる。
食べている最中にも視線が痛かったが、気にしない。
しょうがないだろう、しっかり噛まないと消化に悪いんだから。
『お手洗い、行ってきても良いですか。』
すると、気前のいい返事が返ってきた。
「どうぞどうぞ〜」
『ありがとうございます。』
諸伏に少し避けてもらい、ボックス席を抜ける。
迷わず向かった先は当たり前、トイレである。
危ない危ない、もう少し遅ければ膀胱が破裂してしまうところだっただろう。
いやなんでそこまで飲んでるんだという話だが。
そんなところまで頭が回らないのなら、私も随分酒が回っているのだろう。
いや、こんなことを考えてられているのならまだ大丈夫か。
ぼーっとしながらトイレに入り、個室を開ける。
『…』
個室を開けたのち、私はスマホを取り出した。
片手でロックを解除したのち、緊急電話を開く。
“１”を押し、“１”をもう一回押す。
そして最後に“０”だ。
コールを始める緑をタップする。
３コール目で相手が出た。
「はい、こちら警視庁。」
『殺人事件です。場所は米花町＿＿の＿＿＿、＿＿丁目の焼肉「トリちゃん」の個室トイレ。』
概要と住所を一息で言ったのち、少し間を空けてから言う。
『背中からグサリです。すぐきてください。』
あぁ、どうしてこの街はこうなのだろう。
やはりこの街は呪われている。
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つむやぎ(プロフ) - 明里香さん» 誤字脱字、ご指摘いただきありがとうございます…！修正させていただきますね。 (12月5日 16時) (
レス) id: 0e2e7bdab8 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 24話、言われたことがるじゃなくて、言われたことがあるです。 (12月5日 10時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 17話、ミステリー付きじゃなくて、ミステリー好きです。 (12月5日 10時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 4話、私を読んだじゃなくて、私を呼んだです。 (12月5日 9時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 3話、犯行動悸じゃなくて、犯行動機です。 (12月5日 9時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I luck | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/topaazu/
作成日時：2023年1月28日 8時
