検索窓
今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:19,312 hit

罪状18 ページ19

カランコロン




店内には、ただ静寂が訪れる。

目の前には、ただ無言で置き去りにされた千円札。三週間前と同じ。




“あいつがやった”




そんな言葉がひどく頭に残っている。



警察学校の期間のうち、折り返しの時期だった。



いつの間にか物が消えているというやつが出始めた。


最初は消しゴムやら鉛筆やらの小さな物だったが、だんだんとひどくなっていった。

財布がなくなっただの警察手帳がなくなっただのの大騒ぎとなっていたのを覚えている。



僕は被害には合わなかったのだが、盗まれた警察手帳が北海の部屋から発見された。

北海はその数日後に自主退学した。



後に、北海はやっていないことがわかった。

犯人が自ら名乗り出たのだ。


そいつが言うには、金がなくて小物を盗んでいたらしい。

が、いつの間にか愉快犯となってしまったのだった。

だが、北海を退学させてしまった事で、自分がやったと名乗り出たそうだ。



ただ、もう退学してしまった北海の行方は誰も知らず、戻ってくることもなかった。

その上ただでさえ悪口を吐きまくっていたのだから、戻ってきても気まずいことだったのだろう。


一週間も経てば、もう誰も北海のことは口にしなかった。


僕もついこの前、集合写真を見るまで忘れかけていた。



いつもいつも教室の端を陣取っており、座学はいつも成績優秀。

教官達からの評判も良い、優等生の模範だっただろう。


僕らみたいに何も問題を起こすことなく期間を過ごしていた彼女。



まさか、最高裁の裁判長にまでなっていたとは思わなかったが…。




さっきの様子からして、あの時のことをまだ気にしているのかもしれない。

何故北海が気にする必要があるのかはわからない。

だが、嘘をついたと言うのとあの事件の犯人とされたあの件を重ねてしまったのかもしれない。



そんなことを思っていても、ただ店内は静まり帰っているだけで。





カランコロン





「安室さぁーん!今日も来ちゃった♡」




裏声で入ってきたのは、見慣れた顔ぶれだった。

罪状19→←罪状17



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (58 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
142人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組 , 裁判官   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

つむやぎ(プロフ) - 明里香さん» 誤字脱字、ご指摘いただきありがとうございます…!修正させていただきますね。 (12月5日 16時) (レス) id: 0e2e7bdab8 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 24話、言われたことがるじゃなくて、言われたことがあるです。 (12月5日 10時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 17話、ミステリー付きじゃなくて、ミステリー好きです。 (12月5日 10時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 4話、私を読んだじゃなくて、私を呼んだです。 (12月5日 9時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 3話、犯行動悸じゃなくて、犯行動機です。 (12月5日 9時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:I luck | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/topaazu/  
作成日時:2023年1月28日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。