本物の怪物【殺戮の天使】 (ページ33)

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episode32 ページ33

＿レイチェルside＿

お兄ちゃんとさっきまで喋っていたザックは、すやすやと一緒に眠っている。

特にお兄ちゃんは電気イスにさっきの刑罰の部屋で相当体力を使っている。そのためか、とてもよく寝ている。

エディ「……レイチェルはさ」

エディが話しかけてきたため、私はそちらに顔を向ける。

エディ「ルシファーのこと、好き？」

レイ「……どうしてそんなことを聞くの？」

エディ「えっ、いや、普通に気になって……。僕もね、兄弟が居たから、ルシファーって昔はどんな風にお兄ちゃんしてたのかなって」

私は前を向いて、その方向で寝ているお兄ちゃんの顔を見ながら考える。

昔のお兄ちゃん……。

レイ「あんまり覚えてないけど……昔のお兄ちゃんはとっても優しくて、いつも楽しいことを教えてくれた」

エディ「へぇ、ルシファーって昔そうだったんだ」

レイ「でも……」

エディ「でも？」

レイ「……お兄ちゃんが全く知らない別人だと思ってたときがあるの」

私がそう言うと、エディは首をかしげてお兄ちゃんの方を見た。

当のお兄ちゃんは、少し険しい顔をして、うなされている。その隣のザックもうなされている。

さっきの刑罰での毒のせいで二人とも嫌な夢でも見てるのかな……。

エディ「……そろそろ二人を起こそうか。自然と起きるのがいつかわからないし、早くここから出ないと」

エディはそう言って立ち上がった後、二人の方へ歩いて行く。

レイ「……うん、そうだね」

私も立ち上がって、二人に近づいた。