episode15 ページ16
_レイチェルside_
お兄ちゃんの今の感じ、私は知らない……。お兄ちゃんの雰囲気が違う。あれはお兄ちゃんじゃないような雰囲気だった。
ザックも近づけないようで、立ち尽くしている。
ルシ「なぁなぁ、聞いてるだろ?答えてみろよ、ほら」
口元は弧を描いていて、その姿はまさしく……悪魔が人を陥れようとする姿に見えた。
エディ「て…手伝う!手伝うから!」
ルシ「そうか。なら、ここでレイを殺そうとするのは諦めることだな」
お兄ちゃんはそう言った後、顔は真顔に戻ってエディから足を離した。その後、自分の服についたほこりとか土を払った後、お兄ちゃんはエディに手を伸ばした。
ルシ「お前のレイへの熱い想いは分かった。それなら、その想いをここで終わらせるんじゃなく、生きて振り向いてもらえるようになるまで貫き通せ」
エディ「! …僕、レイチェルを諦めたわけじゃないよ。僕はレイチェルを綺麗に眠らせてあげたいだけ」
ルシ「ならお前は、“殺す枠”の人間じゃなくて、“埋葬する枠”の人間だな。そっちも先着1名様でな。決まってなかったら、どこぞの知らない奴に頼んでたところだよ」
エディがお兄ちゃんの手を掴み、立ち上がる。
ルシ「ということで、なるべく仲間同士でのいざこざは少なく頼むぞ、ザック」
ザック「何で俺なんだよ!!」
ルシ「お前が一番にやりそうだからだよ」
お兄ちゃんはそう言って、エディにエレベーターのボタンを押すよう指示した後、私の近くに来て、私の頭の上に手を置いた。
ルシ「よかったな、レイ。お前のために動いてくれる奴がたくさんいて」
レイ「……うん。たぶん、これは全部お兄ちゃんのおかげ。ありがとう」
ルシ「…妹の願いは極力叶えてやらないとな」
そう話していると、ガチャンというエレベーターのスイッチが押された音がした。
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わんわん(プロフ) - 面白かったです。続き待ってます!無理せず更新頑張ってくださいね (2020年5月6日 22時) (レス) id: 25bc55c09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅鵺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2019年5月15日 17時