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医者から少し脱水気味だと言われ、点滴を打ち終わった頃には午後ももう遅かった。
面会時間はもうとっくに過ぎている。顔合わせぐらいはしたかったが、爺ちゃんのことを考えると帰ったほうがいい。ロビーで会計を済ませていると、悠仁と黒い服を着た男がいた。
「悠仁?お前、まだここにいたのか…そいつ誰だ?」
「兄ちゃん!ごめん、俺ちょっと今日帰んないかも!」
「は?お前、何言って…」
とんでもない速さで去っていく悠仁と男。俺が追いつける筈もなく、ひたすらに二人を見送った。
あんな奴、俺は知らない。他校の友達という線も考えたが、俺といる時間が圧倒的に多いから無理なのではないか。そもそもあの制服なんてここいらで見たことがない。
まぁ、あんな必死な顔をしているし、よっぽどのことがあったのだろうと放っておいた。
「あ、Aくん。お爺さんのことでちょっと…大丈夫かな」
「はい。すみません、今までお世話になりました」
看護師さんの言うとおりに手続きを進める。火葬の場所や日程を決めて、俺は家に帰った。
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作者名:凪椰 | 作成日時:2023年12月4日 22時