君が君でいられるように【2】 (ページ4)

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お見舞いページ4

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病室までたどり着く

芸能人専用の部屋なのか

名札はついてない。

コンコンって扉をノックすると

中からAのマネージャーさんが出てきた。

AMG「あ、樹くん、ありがとう」

樹「どんな感じですか？」

AMG「さっきまで起きてたけど今寝ちゃって」

樹「あ、まじっすか」

AMG「私帰るけど、どうする？送る?」

樹「いや、ついときます。結構入院すか？」

AMG「1週間かな」

樹「まじか」

AMG「家に帰ると仕事しそうだからね」

樹「なるほど、じゃ」

AMG「よろしくね」

ベッドに横たわる彼女の横に腰掛ける。

なにしてんだよほんと

一生懸命になると自分の限界も

わかんなくなっちゃうんだから

しんどくなったら

しんどいって言えよ

それすらもわからんのか

樹「A？ごめんな」

樹「全然守れてねーわ」

布団から少しはみ出る彼女の手を握る

いつ握っても細い

樹「あの時決めたんだけど」

樹「みんなも心配してたよ」

こうなる前に頼ってもらえないって

やっぱ頼りねぇかな

『馬鹿』

樹「いつから起きてた？」

『樹が来てくれたとき』

樹「最悪」

かっこ悪っ

こんな独り言きかれるとか

てか、ウソ寝うますぎ

女優戻れよまじで

『心配した？』

樹「何時だと思ってんの？じゃなきゃこんな時間に来てねーよ」

『そっか』

樹「1週間くらい入院だって」

『うん、大袈裟だよね』

体を起こそうとするから

ベッドの、ボタンをおす。

　

『ありがとう』

樹「ん、」

食べ物とか飲み物は

基本的に制限はないらしい

『北海道のメロン食べたい』

樹「はいはい」

『オレンジの方ね』

樹「わかってっから」

Aが、聞いてくることといえば、

ライブが近い俺たちの進行状況

樹「一旦仕事忘れよ」

『無理だよ』

この様子だと入院も仕方ないわ

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