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愛しいと思う気持ち。
どんな言葉でも表せられない時、人は唇を重ねるのだろうか。
月か、街灯か。
照らされた２人の影が、ひとつになっていた。
初めて触れることができた、ひとつになった瞬間。
短い、触れるだけのキスだったけど、
多分一生忘れないだろうなと思った。
そんな俺の、わがままで、重たい気持ち。
彼女は拒むことなく受け入れてくれたが、
影が離れた時には、苦い顔をした彼女がいた。
その顔を見て、察してしまったんだ。
「…やっぱり、俺じゃダメ、なんだね」
彼女は首を横に振った。
横に振って、何かを言おうと口を開きかけて、
また閉ざされた。
きっと今彼女は言葉を選んでいる。
俺を傷付けないような言葉じゃなくていいから、
本心が聞きたいと、切に願う。
『…やっぱり、最後、です。』
考え込んだ末に出たのは、終わりの知らせだった。
言い返したいこと、伝えたいこと、聞きたいこと、叫びたいことは山程あった。
でももうこれ以上は、違うと思った。
今が、きっと、引き際というやつなんだ。
「大阪行っても、ちゃんとご飯食べて、寝て、風邪引かないようにね。」
彼女はこくんと頷いて、
『ありがとうございま、した。』
と、一瞬悩んで、過去形にして、涙を浮かべながら立ち去った。
(同じ業界にいるんだから、きっとまた会う。
最後なはずなんてない、大丈夫、まだチャンスはある。)
静かに抱えていた想いだから、誰かを呼び出して、
やけになって酒を煽ることもできず。
長い事ブランコに揺られたまま、色んなことを考えた。
結局、一回も涙を見せてはくれなかったな。
俺も、泣いて縋れば何か違ったかな。
いや、そんなわけ無いか。
彼女の前では流せなかった、涙が今頃頬を伝う。
風もなく静かな夜だから、そのまま涙は足元へと落ちていった。
彼女は、行ってしまった。
近いようで遠い、そんな場所へ。
俺の心と、マフラーを持って。
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yucari(プロフ) - ただのファンさん» ありがとうございます！また今日から更新がんばります☺️🔥 (4月27日 9時) (
レス) @page14 id: 9764fa7a2b (このIDを非表示/違反報告)
ただのファン - 更新待ってますね💬 (4月24日 2時) (レス) id: 6498e20fe5 (このIDを非表示/違反報告)
yucari(プロフ) - つぁんさん» 感想めっちゃうれしいです！ありがとうございます！☺️🔥 (3月23日 22時) (レス) id: 9764fa7a2b (このIDを非表示/違反報告)
つぁん(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます🥰反撃編楽しみにしてます❤️🔥 (3月22日 12時) (レス) id: 8778fcf56d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yucari | 作成日時：2024年3月22日 5時
