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20時半。
出番を終えて、色々なことを片付けて
スマホをチェックする。
『またあの黄色い看板の焼き鳥屋になったわ。
どうしても高比良がトマトチーズベーコン串が
食べたいらしい。普通のやつ食えよな、笑』
(ふふ、高比良さんらしいな、)
「でもトマトチーズベーコン串、
めっちゃ美味しかったですよね。
私も思い出して食べたくなりました。笑
今終わったので、これから向かいます！」
『俺はちょっと煙草吸ってから行くわ、
多分みんなもう着いてるから先行っといて』
(一緒には行ってくれないんだよな、)
久しく隣で肩を並べて歩いていないな、と思った。
劇場の周りを二人で歩くとまずいんだろうな。
やましいことがなければ、先輩と後輩の関係なのだから
堂々と歩けばいいと思う。
しかし私達はやましい関係なのだ。
彼氏と彼女、なんてものではない。
本当にただただやましいだけの関係。
「わかりました。では、先行ってます。」
返信を待たずお店に向かう。
…つもりだった。
そのつもりだったのだが、
一目、煙草を吸っている姿を見たくなって
喫煙所を横切りながらちら、と覗いてみた。
そこには誰かと電話しながら一服する彼の姿。
酸素よりも煙草吸ってそうだな、と思いつつ
聞き耳を立てる。
『んー、そう。遅なると思うわ。
誘われてしもてん、うん。ごめんて』
彼女、か。
ちゃんと飲み会前に連絡するタイプなんだ。
大事にしてるんだな。
ここまできてしまったことを後悔した。
やっぱりすぐお店に行くべきだったな。
彼女との電話なんて聞いて、
自ら墓穴を掘りまくってしまった。
優しい表情に、穏やかな声。
私を捉える、冷たい瞳とはまるで違う。
なんだか現実を突きつけられた気分だった。
今日はなんだかダメな日だな。
ダメージの蓄積がすごくて、心が折れそうになる。
でももしかしたら、このままでいいのかも、とも思う。
傷ついて傷ついて、いつか彼のこと大っ嫌いになりたい。
そうなればいいんだ。
折れて仕舞えばいいんだ、いっそのこと。
(…行くか。)
とりあえず気持ちを切り替えて、
先輩方の待つお店へと向かうことにする。
早く行かねば、彼が電話を終えて出てきてしまう。
鉢合わせるわけにはいかない。
こんな、傷ついていますなんて顔では、会えない。
会いたくない。見せたくない。
動じていない私でありたいんだ、せめて。
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yucari(プロフ) - くまもんたさん» ありがとうございます！嬉しいです、励みになります！コメントありがとうございます！ (3月14日 23時) (
レス) id: 9764fa7a2b (このIDを非表示/違反報告)
yucari(プロフ) - ぼた餅さん» すみません何分不慣れなもので、よくわかっておらず、ご指摘助かりました！ありがとうございます！ (3月14日 23時) (レス) id: 9764fa7a2b (このIDを非表示/違反報告)
くまもんた(プロフ) - めちゃめちゃ好きなお話すぎます…！更新頑張って下さい！！ (3月14日 23時) (レス) id: 6a9f7cbdd2 (このIDを非表示/違反報告)
ぼた餅(プロフ) - オ.リ.ジ.ナ.ル.フ.ラ.グを外して下さい。違反になってしまいます。 (3月14日 10時) (レス) id: b56975c361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yucari | 作成日時：2024年3月13日 22時
