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「謝らないで、ください。」
『うん、でも、ごめん。全部、俺が悪いねん。
…ほんまに、悪かったな、今まで、』
「っ…」
心が叫ぶ。
待って、終わらせないで、と。
「もう、お別れなんですか、？」
『…きっと、うまくいかんよ。
例え、俺が彼女と別れたって』
「そんなの、わからないじゃないですか、」
縋ってしまってはダメだ。
嫌がるに決まっている。
でもそんな、もう一回のチャンスもなく、
こんな突然終わってしまうなんて。
『あかんな、…また、今度話そう。』
彼はそう言うとそっとベッドを抜け出して、
今日を始める準備をする。
私はもうそれ以上何も言えない、というより
何も言わせてはもらえなくて。
ただ沈黙していた。
『…ベランダ借りていい？煙草吸っても、ええ？』
コクンと頷く。
彼はベランダに出て、窓を閉めた。
煙草を吸わない私が、彼のためだけに用意した灰皿に、灰を落としていく。
彼がこの場所に帰ってくることを願って、買ったものだった。
なんだか自分自身の姿を見ているようだと思った。
私は所詮、煙草みたいな嗜好品でしかなくて。
ただ彼に消費されて、灰になって、
それでおしまい。
(もう、あの灰皿の出番も、なくなっちゃうのかな。)
彼が一服を終え、部屋に入ってくる。
『じゃあ、時間も時間やし、先行くわな。
…また、な。』
本当にまた、なのか。
次なんてあるのだろうか。
でももし、本当に、最後だというのなら。
私は涙を拭って、なんとか気持ちを切り替えて、
「はい、また。」
できるだけの、とびきりの笑顔で、彼を見送った。
彼の記憶に残る私が、笑顔だったらいいなと思って。
少し彼は驚いた顔をして、扉を閉めた。
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yucari(プロフ) - くまもんたさん» ありがとうございます！嬉しいです、励みになります！コメントありがとうございます！ (3月14日 23時) (
レス) id: 9764fa7a2b (このIDを非表示/違反報告)
yucari(プロフ) - ぼた餅さん» すみません何分不慣れなもので、よくわかっておらず、ご指摘助かりました！ありがとうございます！ (3月14日 23時) (レス) id: 9764fa7a2b (このIDを非表示/違反報告)
くまもんた(プロフ) - めちゃめちゃ好きなお話すぎます…！更新頑張って下さい！！ (3月14日 23時) (レス) id: 6a9f7cbdd2 (このIDを非表示/違反報告)
ぼた餅(プロフ) - オ.リ.ジ.ナ.ル.フ.ラ.グを外して下さい。違反になってしまいます。 (3月14日 10時) (レス) id: b56975c361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yucari | 作成日時：2024年3月13日 22時
