私だけのカレ (ページ10)

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デスクに戻ってパソコンの画面を見ると
新しいメールが届いている知らせが目に入った

差出人:オ・セフン

件名:突然ごめんなさい

内容:

マーケティング課、オ・セフンです
突然メールなんかしてごめんなさい

ヌナとどうしてもお話したいことがあります

驚かせて、本当にごめんなさい

困らせてすいません

それに・・・
業務でもないのにこんなメールしてしまって。

勝手なことはわかっています。
だけど、
どうしても今日お話させてもらいたいです

何時になっても構いません

連絡いただけませんか？

待っています。

よろしくお願いします。

びっくりしすぎて
わからなすぎて
到底一度では理解出来なくて
何度も何度も同じ内容を目で追って
頭に入れようと幾度も幾度も読み返した

カレからのメール

"めがねくんより"

最後にそうはっきりと書いてくれていて・・・

私とカレしか知らないまるで暗号のように
思えるそのキーワード

違うってわかってる

勘違いするなって警笛が頭で鳴っている

さっきまで
気が滅入って、心が荒んで塞ぎ込んでいた
それなのに
今はクスッと笑えていて、ニヤニヤしている
まったく・・・
こんな歳にもなって
どんだけ単純なんだと自分で呆れる

どんな話をされるんだろうと怖じ気づく

また
あんな憐れむような悲しい目をされるのかも

だけど

たとえそうだとしても

どんな思いをしても

カレとのつながりがまだあると思えるから

このメールは
私には特別なモノのような気がして・・・

会って欲しい

話を聞きたい

気が付けば、

今日は定時に終わります。
駅の西口にあるカフェにいます。

手短にまとめて送信ボタンをクリックしていた

終業を報せるチャイムが鳴った

今までにないスピードで帰り支度をして

エレベーターに乗り込んでエントランスに急ぐ

スキップをしたくなるのは気のせい？

自分の中からルンルンって音がしそう

ずっと口角が上がってるのがわかる

胸が自然と高鳴る

まるで

初恋みたいに

あの日から

何日経ってしまっていたんだろう

この日から

私とめがねくんの関係が少しずつ変わり始めた

「誰とも飲みに行っちゃダメです」
「あまり良い気持ちがしないです」

めがねくんが私に
そんなコトを言ってくれたから・・・