私だけのカレ (ページ41)

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『会ってみるだけどうだい？』

『難しく考えなくて大丈夫だから』

そう言われたのは
寒さがまた身に染みるようになってきていた頃
だったかな

近頃の親戚などのおめでた続きに
叔父や叔母が触発されただけだとは思わない

私の年齢しかり
従姉妹や親戚の中で
浮いた話のひとつも無いどころか
今までも話題にすら上らなかったことに
良かれと思って

見合いのような話を家に持ってきてくれたのは

何にも応えられない

断りたいとか嫌だとも

会ってみたいとか、お受けしますとも

私にはどうしてもまだ進めないの

鉛色した空を

時に

雪が降るのかなと思って見上げれば

いつでも思い出すのは

あまりにも

キレイで儚い幻のような

アナタの真っ白な姿

目を閉じても
まるで
今にも
アナタが
目の前に現れそうで

明日になれば
明日になればと毎日思うけど

嫌いになれればと思うのに

私の中にアナタがまだ全然いるの