私だけのカレ (ページ38)

今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:51,016 hit

38 ページ38

生まれた時から

僕と兄は

ほとんど

人生が決まっていた

そう

必ずやこの会社の経営者になると言うこと

遅かれ早かれ

この会社に入り、

敷かれたレールを歩んでいく

この会社の為に、

そのレールをひたすらに突き進む

幼少の頃から自然とそう叩き込まれて育てられてきた

キム・ジュンミョン

僕の兄

そして

半ば

今時、聞くことも少なくなった

政略結婚と言われてもおかしくない結婚を控え

社長就任と同時に婚約発表をした

あれほど

学生時代から

想い合っていた彼女がいたと言うのに

結局

決して許されることはなかったのだから

会長でもあった祖父の体調が優れないと
聞かされたのは年が明けて間もなくだった

避けては通れないことくらい

幼い頃からずっとわかっていた

だけど

それは

その現実は、

遥かに自分の予想を越えて

早くやってきたんだ

何にも変わらないと思い込んでいた

当然のように

会社で会って

ヌナと呼びかけたり

めがねくんと呼んでもらって

そして、、、

近いうちに
僕の気持ちをありのまま伝えると決めていたのに

僕が次にヌナを見かけたのは

ヌナに辞令が下る前の日だったんだ

こうするしかなかったんだ

言い訳はしないよ

その辞令を下したのは

他の誰でもない

この僕だったんだ

大切だから

何よりも

どんなことよりも

一番に考えてあげたいから

守れなかった、、、

だから

せめて

巻き込みたくなかったんだ

例えあなたに嫌われたとしても