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だいたいの場所を
ミンソクヒョンに聞いて車を走らせたけど
ヌナからは結局教えてもらえず・・・
ヌナらしいと言うか
どこか自分を抑えたような
だけど
きちんと言葉にしたメッセージ
それだけが道中送られてきていた
目印になるはずと聞いていた
大型ショッピングモールの駐車場に車を停めて
すぐにもう一度連絡を入れた
「Aヌナ」
「会いたいってさっき電話したでしょう！？」
《めがねくん！？》
《そんなところにどうして？？》
僕の少しキツくなってしまった口調に
ちょっと驚いた声を出すヌナ
明らかに携帯越しにでも
戸惑うようにして焦っているのがわかる
強引だなと自分でも十分に思う
ズルいなんて百も承知してる
だけど
「待ってます」
そう言ってここに居ることだけを伝えていた
めがねくんの口から
こんなにも聞き慣れた身近な場所を
聞くことになるなんて思ってもみなくて
まさか
めがねくんがそんなところで待っているだなんて
思いもよらなくて
確かに・・・確かに・・・
そうとは言ってくれたけど
どうして・・・
全然飲み込めない
だけど
ただ 夢中で実家を飛び出していた
車で10分とかからずにやってきたのは
やたらと田舎を主張するかのような
だだっ広い平面に連なる駐車場
とっくの前に営業時間を過ぎたそこは
駐車場の明かりだけが煌々と灯っていて
冬独特のピンと張詰めた空気と
人っ子一人いない静けさを漂わせていた
思わずその寒さに身震いしそうになるけれど
そんなことよりも
私の目に飛び込んでくるその全てが
まるで
絵画か何かのようで
ここには似つかわしくない
たった1台の黒のその車にもたれかかっている
その姿はよく見慣れたカレの姿なのに・・・
フーッと吐き出す息の白さと
カレが纏う息をのむほどのその透明さ
それに・・・そう・・・
胸の前で大事に大事に抱きしめている
その花束との重なるような美しさ
声も出せずに
ただ
ただ
見つめていることだけしか出来なかったの
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作者名：くじら | 作成日時：2017年5月15日 18時
