25 ページ25
「正直言ってもっと簡単だと思ってた」
今までそうだったからね
適当なコトを言って
大したことをせずとも
手に入って、自分のモノにして
必要なくなれば切り離す
でも今は違う
僕のちっぽけなプライドなんて
今や粉々に砕け散って・・・
中学生の坊主みたいになっているんだ
Aヌナのこと
いちいち気にかかって
いちいち伺ってしまって
いちいちドキドキする
いつも目で追ってしまっていて
いつも気になって
いつもいつも想ってしまう
このままなんて言わせない
来週に予定されている昇進試験
その後に僕は動き出す
《めがねくん・・・・・・
もっともっと近づいてもいいの？》
あれからずっと格闘している
側にいたい
もっと近づきたい
何でも知りたい
私にだけ見せていて欲しい
どんどん欲深くなる自分と怖気づく自分
社内で会えば
声を掛けたりお喋りだってする
ビビちゃんのこと
私の家族のこと
仕事のこと
私自身のこと
めがねくんのお気に入りのお店のこと
カレのお友達のこと
カレ自身のこと
今までと変わらず
ミンソクたちと一緒に
食事したり飲みに行ったり遊びにも行く
皆で他愛もない会話だけど
2人きりでは一緒にいれないけど
変わらないこの関係やこの距離に満足している
いや・・・・満足なんて・・・それはウソ
それだけじゃなくなっている
やっぱり壊したくないから
カレとの距離も関係も
保っていきたいから
カレの領域 私の想い
ずっと抱えていたこの気持ちを
もう抑えられそうにもなくなっていて・・・
もうすっかり吹き付ける風は
冷たさを増すばかりのような季節になっている
来週が終われば、12月だもの
日が暮れるのもとっても早くなっているし・・・
来年度の新卒者の内定者も続々と決まり出して
中途採用者の受け入れ準備も徐々に本格化してきた
それに・・・
来週の週末はめがねくんの名前も挙がっていた
社内の昇進試験があるんだ
昨日ほんの少しだけ2人だけの時間が
ランチタイムの後に出来たから
お節介かと思ったけど
そのことについて尋ねてみたら
「絶対に昇進してみせます」
その後のことは・・・・まだ内緒です
そんなことをめがねくんは言っていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 229人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くじら | 作成日時：2017年5月15日 18時
