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誰もいない木陰の下に
ビニールシートを広げて
その前でビビちゃんを遊ばせて
「おいしい」
「おいしい」
もぐもぐとパクパクと
どれも
どんどんとお箸をすすめてくれて
うちの味を
たくさん口に詰め込んで
目を細めて
めがねくんが食べてくれている
とっても不思議
こんなこと想像もしなかったから
《コーヒーもあるよ》
《あっ！チョコドリンクの方が・・・》
そう言った瞬間
「ガキ扱いするんですか！？」
めちゃくちゃ口を尖らせて
少し睨むようにこっちを見るめがねくん
今のこんな少し拗ねたような姿
さっきまでのぼやくような姿
ちょっと子供みたいな
どこまでも少年のようで純粋で
食べたり、飲んだり
おしゃべりしたりするその姿は
とっても無防備で
可愛らしくて、放っておけないの
こんな姿は
私だけに見せてくれているって
思っていたい・・・
周りを見渡せば
休日だからかな
家族連れ、仲間連れ、カップルに恋人なのかな
みんな
とっても楽しそうで嬉しそうで幸せそう
それぞれの愛がここに溢れ出しているから
《ビビちゃんがうらやましい》
思わず漏れ出してしまった心の声に
《えっ！？あっ・・・・・》
《めがねくん アイス食べる？》
なんてごまかすようなことしか言えなくて
取りに行こうと立ち上がろうとすると
「話してから」
ポンポンとめがねくんの隣を叩いて
ビビちゃんを抱き上げて
こっちへ来いと言わんばかりに
うん、うんと大きく頷いて
私の手を取ってそう言っていた
「その・・・ヌナのお姉さんですか？」
《えっ？あぁ・・・義理のね・・・(笑)》
大きなお腹のなんて少し恥ずかしそうにしている
《再来月あたりには生まれてくるの》
《兄の子供・・・男の子》
「楽しみですね〜」
《溺愛しちゃいそう・・・》
《めがねくん 兄弟は？》
「僕も兄が・・・」
「あっ！ビビは弟！！」
《そっかぁ〜！男の子なんだ！！》
《私も弟がいるの・・・本当の弟(笑)》
《めがねくんと私 一緒だね》
「ふふふっ ヌナと僕 一緒です」
そうやって目を細めて笑ってくれている
《めがねくんのお兄さんならまだ若いでしょ？》
「二つ上です」
「いつか・・・・・」
「いつか結婚とかするんでしょうかね」
「兄も・・・僕も・・・・・」
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作者名：くじら | 作成日時：2017年5月15日 18時
