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《めがねくんの・・・わんちゃん！？》
「・・・うん・・・・・」
「Aヌナ・・・あの・・・」
《触らしてもらってもいい？》
《お名前も聞かせて・・・》
「ビビです」
溢れ出す愛情を感じてしまうから
大切だって言っているのがわかるから
アナタが降り注ぐ全てから
どうしようもなく渦巻くから
笑われてしまうような
私のどうしようもないみっともない思いが
目を細めてずっとずっと目を離さない
その瞳にも
愛してやまないって程の
その抱擁や繰り返されるキスも
力強く抱きしめたり
抱き上げたりする
その腕やこの指にも
めがねくんの特別なモノへの羨望
それがビビちゃんであっても・・・
どうしようもない気持ちに
蓋をするように
俯いて目を閉じていた
『Aちゃん？』
『Aちゃん・・・』
『座ってもらったら？？』
何度か呼ばれてから掛けられた義姉の言葉に
《皆、待ってるよね・・・・・
・・・・送って行くね》
なんだか居た堪れなくて
めがねくんにそう言っていた
【こんなとこまで来てくれたの？】
【ありがとう】
【本当はおしゃべりしたかったんだ】
【今日は会えてとっても嬉しい】
そう本当は伝えたいの
でも
どうしても先に出てくるのは
心の想いより頭に浮かび上がる言葉
私・・・カレがやっぱり好き
たった数か月だけど
まだ何にも知らない
一緒にいた時間なんてほんの少しだけど
何がきっかけなんて
どうして好きになったかなんて
カレが年下だろうと
カレがエリートだろうが
そんなのどうだって構わない
【好きってそういうことだと思うから】
とっくに苦しい
とってももどかしい
すごく痛む
胸が締め付けられそうなの
でも
それが想うってことだとわかるから
最後の恋
最初の愛
そうであって欲しい
その相手がめがねくんで良かった
それだけは自信を持って言える
カレは私が好きになった人だから
《車なら早いから》
ミンソク達がいる場所までならすぐだから
ここで待ってて欲しいと言ってキーを掴むと
そっとビビちゃんを抱いて
めがねくんの腕に触れて駐車場に促していた
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作者名：くじら | 作成日時：2017年5月15日 18時
