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カフェでたくさんお喋りしたあの日から
ガラリと変わったワケじゃない
だけど、それで良かった
どんな言葉で現わせば良いの？
私とめがねくんとの関係
グレー
曖昧
微妙
うやむや
あやふや
不透明
それでも良かった
社内で出会えば
時々 退社時間が一緒になれば
皆とであっても一緒に飲む機会があれば
「Aヌナ」
《めがねくん》
二人だけでそうやって呼び合えるから
めがねくんが私を呼んでくれるから
縮まらなくても良い
ずっとこのまま変わらなくても良い
ただ一緒に居るだけで良い
それで良い・・・
それだけで良いから
いつからか自分に予防線を張らなくちゃ
身動きが取れないような人間になっていた
余程じゃない限り
簡単に気を許せなくなっている自分
心を開くことが
ぶつかっていくことが
素直な気持ちを言葉にすることが難しく感じる
正直言って
もうわからない
忘れてしまったから
だから
恋に落ちることが
愛を知ってしまうことが
怖いんだ
梅雨が明けていっきに暑さがやってきた
容赦なく襲ってくる灼熱の太陽
うだるような気温
体に纏わりつくような
じっとりとした湿気を帯びた特有の風
まるで私みたいに・・・なまぬるくて重たい
【もうすぐ海の日で連休】
仕事中なのにそんなことを考えて歩いていると
『A！』
聞き慣れたキム・ミンソクの声に振り返ると
『合わせたから！！バーベキュー！！』
やっと段取りが整ったとかなんとか
とびきりの笑顔で嬉しそうに話している
《だからその日は・・・》
私が言い始めると
『わかってる！』
『だからそのお前の家族孝行とやらに合わせた』
《えっ！やだ・・・どういうこと！？》
『そういうこと』
前々から何度も誘われていた
キム・ミンソクの仲間の皆さまとのバーベキュー
私がそんな場に行くことはまずない
だから丁重にお断りしていたのに・・・
それなのに・・・
わざわざ、どうして！？
まったくほんと呆れる！！
『適当に合流しろよ、連絡するから』
こっちはぷんすか怒ってるってのに
相変わらずキム・ミンソクはどこ吹く風・・・
私がその日
兄の家族を遊びに連れていく場所と
一緒のところでバーベーキューするだなんて
そんなの聞いてない！！
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作者名：くじら | 作成日時：2017年5月15日 18時
