未練、想い2【五条悟】 (ページ5)

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ー五条sideー

全部同じブランドで揃えられた石鹸。

ガラスの容器に入って、水色の中身。
ふわっと香るいい匂い。

お風呂から出て教えてもらった通りに化粧水をつける。

普段は付けないけど今日は特別。だってお泊まりだし。

「たーだいまー！」

ソファーに座っているAにぎゅっと抱きつくと、「いい匂いするね」と口説かれた。(←口説かれてませんよ)

「ねー、パンツないの？」

『洗濯するって言ったじゃん。一晩ぐらい我慢しなよ。』

「変な感じするんだよね。」

『知らないよ、乾燥終わるまで待つしかないでしょ。わたしもお風呂行ってこよー。』

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ﾋﾟｺﾝ

……ソファーの上に置き去りにされた携帯が何度も鳴る。

Aはまだお風呂。

何度も通知が来ている携帯。見てはダメだとわかっても手に取ってしまった。

どうせロックかかってるんだろうし、

「え、」

真ん中のボタンを押すとホーム画面へ飛んだ。
ロックはかかっていなかった。

メッセージアプリで既読をつけるわけにはいかず通知だけを見る。

《なんで黙って東京行ったん》

《俺に挨拶ぐらいするんが礼儀やろ》

《明日そっちまで行ったるわ、待っとけよ》

元彼とか？
気になる文字が並び過ぎてそっと画面を閉じた。

Aに直接聞くべきか、でも勝手に携帯見たと言えば怒られるかも？

でも見てしまったものは仕方ないし、明日来るという情報は得たし。

悶々と考えてたらAがお風呂から出てきて、色っぽくてさっきまでの悩みはどうでも良くなった。

『…顔怖いよ、』

「あ、なんかいっぱい通知来てたよ。」

はい、と携帯を渡すと確認して、すごく嫌そうな顔した。
…やっぱり元彼からの連絡なの？

『ねぇ、一緒に寝る？』

「へ、？」

『あ、嫌だったら布団出すよ。』

「寝る！」

広々寝たいからという理由でキングサイズのベッドを使っているらしい。2人で寝るのには十分な広さ。

「……明日は何するの？」

さっきのメッセージが気になって聞いた。

『明日？授業と合鍵の回収。』

「合鍵？」

『部屋出て行く時に鍵返さなきゃだめでしょ。硝子と夏油が持ってるの。』

「は？なんで？硝子はわかるけどなんで傑？」

『…引っ越した時はよく泊まりに来てたの、おやすみ。』

悟くん胸の奥がモヤモヤモヤ。

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