未練、想い2【五条悟】 (ページ21)

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連絡先は交換せずに、都合のいい大人として年に数回会って、外へ連れ出しているらしい。

「村でいい扱い受けてこなかった彼女らは術式の事はもう思い出したくないみたいだよ。」

『…そうなんだ。』

考え方人それぞれ。術式があるからといえ全員が呪術師になるわけでも無い。

そんな話をしてたら、ミミナナちゃん達が帰ってきた。

「ねぇ、Aさん、」

『えっ、あ、どうしたの？』

さっきまで一言も私と会話しなかった菜々子ちゃんが、急に声をかけてきた。

「それ、見せてくれませんか。」

さっき買ったコスメの袋を指差して、そう言われた。

袋から出して、新作のアイシャドウとリップを渡す。

「かわいい〜！美々子見て！」

「かわいいね。Aさん見せてくれてありがとうございます。」

やっぱり女子高生はコスメに興味あるんだ、と内心嬉しかった。

話しかけてくれたんだし、話題終わらせるもんかと思いコスメの話をする。

夏油は付いてこれない話だから申し訳ないけど、我慢して欲しい。

『…この後見に行く？』

「行きたいです！」

『じゃあ決まりだね！夏油もいいよね？』

「3人が楽しそうだし、構わないよ。」

運ばれてきたパンケーキを上手に写真を撮る高校生に、羨ましくなった。

『夏油も一口食べる？』

「私は甘いもの苦手だから遠慮しておくよ。」

コーヒーを飲みながら、本気でいらないという顔をされた。

勿体ないなぁ、こんなに美味しいのに。

パンケーキを食べて、(夏油の奢り！ごちそうさまです！)コスメ売り場へと向かった。

「菜々子これ似合いそう。」

「え〜、こっちの方が可愛くない？」

「…夏油様はどっちの方が似合うと思いますか？」

キラキラした目で夏油に問う美々子ちゃんに、「どっちも可愛いよ」とありきたりな返事をする。

それでも2人とも嬉しそうで、そんな姿を見て心が癒された。

『2人はここのブランドが好きなの？』

「はい！」

『じゃあ私からプレゼントしたいから受け取ってくれる？』

「え！いいんですか？！」

『もちろん！』

近くにいた店員さん2人に声をかけて、ミミナナちゃんそれぞれに似合うコスメ一式持ってきてもらった。

『それ、全部ください。』

全部は受け取れないと言われたが、私の自己満足だし受け取ってよと強引に渡した。

迷惑だったかな、とは思うけど受け取って欲しかった。

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