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立ち止まってくれたのをいいことに小走りで駆け寄った。
人違いじゃなくてよかった。
『……え、』
「やぁA。」
「夏油様この人誰。」
やっぱり人違いだったかも知れない。見るからに2人のJKと手を繋いで歩いていた。
『…私の知ってる夏油じゃない…?』
「…人の名前大声で呼んどいてどうしたんだい。」
『…誘拐?』
どう見ても誘拐でしかなかった。
大柄の男が小柄な女子高生を連れて歩くなんて。
「話したことなかったっけ、任務先で助けた子だよ。」
『……!ミミナナちゃん!』
「…この人怖い。」
「大丈夫だよ、2人とも。彼女は私の親友だよ。」
夏油が高専生の時に任務先で助けた子ども。
話は聞いたことあったけど高校生になってるとは……。
『こんにちは、AAです。』
「……。」
「…こんにちは、美々子です。」
信用されていないのか、菜々子ちゃんには無視されてしまった…
「Aはこんなところで何してるんだい?怪我は?」
『もう帰るとこなんだけどね。お休み最終日なので買い物に……、明日からまた復帰するよ。』
「そっか。元気そうでなにより。」
ミミナナちゃんからの突き刺さるような視線が痛い。
夏油のこと様付けて呼ぶぐらいだから慕ってるんだろうなぁ……。
「Aも一緒に行く?パンケーキ食べに。』
『いやいや、悪いでしょ…』
「この子達も嫌では無いみたいだよ。」
『……気持ち分かるのね、』
そんなこんなで4人でお店へ入った。気まずいと思ってるのはわたしだけ?なのかな…。
夏油曰く、本当に嫌ならもっと主張してるらしい。
「トイレ行ってくる!行こ、美々子。」
夏油から少し話を聞いた程度で、2人に会うのは初めてだ。
しかも全然仲良くなれそうにない。
「…すまないね、付き合わせて。あの子達にはもっと人と触れて欲しくて。」
地図にも載らないような所で酷い扱いを受けていたと聞いた。
それから施設にお世話になっているが、人と仲良くする方法を知らないのか、いつまで経っても施設の子とすら仲良くなれずにいるらしい。
『術式あるんでしょ?高専に来ないの?』
「…彼女らが一般人でいることを選んだんだよ。
万が一呪詛師にならないように、定期的にこうやって会ってるんだ。」
『……闇落ちしそうになった人が何言ってんだか。』
夏油は「はは、」と控えめに笑った。
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くまこ(プロフ) - riyaさん» ありがとうございます(;o;)先程番外編公開しました! (2021年8月21日 9時) (レス) id: aae8dbd6e7 (このIDを非表示/違反報告)
riya(プロフ) - 良かったです。番外編楽しみに待ってます。素敵な物語を読めて感謝 (2021年8月21日 9時) (レス) id: 0599723b2d (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます! (2021年8月18日 0時) (レス) id: 45252353b5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - 次も、楽しみにしてます (2021年8月17日 12時) (レス) id: 104e5b7174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2021年8月10日 20時