tonta(黄) ページ1
社内交流を兼ねたBBQが開かれた。
金融保険部に所属する私は、後輩の重岡くんと追加のお酒やおつまみの買い出しに出掛けていた。
『あーもー!重たいわー!誰っすか?じゃんけん負けた人!』
「ごめんってぇ…じゃんけん弱いねんもん…」
袋いっぱいのお酒を持って会場に戻る途中、クラクションが鳴ったと思ったら路肩に高級車が止まった。
『あ!!淳太や!!』
(え…淳太って、中間課長??てか、課長を呼び捨てする重岡くん何者…??)
すると運転席の窓が開き、中間課長が顔を出した。目が合ったので、とりあえず会釈すると少し微笑んでくれたけど、すぐ目を逸らされた。
【重岡、なにしてんの?】
『買い出し行かされてんけど、めっちゃ重いねん!…もしかして、淳太も今から参加?』
【おん、そやけど。もし良かったら…】
『乗せてって!!』
(なんか勝手に話が進んで、中間課長の高級車に乗せてもらえることになったけど、めっっちゃ緊張する…!)
実はひそかに中間課長を想っている私。
でもそんな女性社員は山のようにいて。
だから、行動は起こさず想ってるだけ。
恥ずかしいけど、この年で片想いを続けている。
【Aさん、大変やなぁ…こんなうるさい重岡と仕事するなんてw】
さっきまで重岡くんと話してたのに、緊張で静かにしてた私に話をふってくれる中間課長。
『ぅおい!うるさいってなんや!仕事は真面目にしてますぅ〜!』
【「笑」】
「確かに…多少うるさい時もありますけど、基本的に勤務中はめちゃくちゃ真剣に仕事してるので、頼りにしてます!」
『なぁ?ほら聞いた?俺のこと頼りにしてるって!』
【だからそれが、いちいちうるさいねん!笑】
緊張したけど、楽しい会話のおかげで会場まではあっという間だった。
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作者名:らん | 作成日時:2020年6月15日 23時