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●明は夜にしか耀かない。 ページ15

夜勤終わり、妾は社を出た。

Aと一緒に出ようとしたが、あの子はまだやることがあると言って残った。

雨はもう止んでいた。

だが地面からは仄かに雨の匂いがする。


あんなにも土砂降りだったのに降ったのは数時間だけで、今は流れる雲も早く太陽は昇ってはいないとはいえ、隙間からは群青色の空が覗く。

あとまた数十分もすれば空は明るさを取り戻して、朝が来る。


Aはいつも夜勤の度に静かな夜を迎えて明日が来る瞬間を迎える。

あの子には夜が似合う。

ぼんやりゆらゆらとでも確かに其処にあるような。

曖昧で暗いような夜も悪い意味ではなくAに似合う。


…妾には最初、Aが人を避けているように見えた。

妾もそこまで鈍い訳じゃないと自負している。


実際あの子はほんの少しだけでもこの街に来たての頃は、妾だけでなく人を避けていたのだろう。

元々、そこまで人付き合いに長けているとも思えない。


ならば何故、わざわざこの街に来たのか。


新たな場所で、敢えて自分から多くの初めて人や物にも出会おうするだなんて、どういう経緯があの子をそうさせたのかは分からない。

結局、分からないことだらけで妾には待つしか残されてないという結論に至るだけだ。

でも…それでいいのかと自問する。


いつか妾がAともっと話しておくべきだったと後悔するその前に。


妾はもっとAに話すべきじゃないのか、話してもらうべきじゃないのか。

大事な仲間だと思っているということをもっと伝えるべきじゃないのか。

妾の結論は終わりじゃなかったのだと、今になって気付く。


来た道を振り返ると探偵社にはまだ灯りが灯っていた。

その一角だけを照らす暖かな光には、朝になってしまえば気付かない。


「Aみたいだねェ」


普段は気付かない、細やかで暖かな光。

雨の匂いを吸い込んで妾は歩き出す。

◆自他共に認める苦労人。→←●紅い香に委ねていた。



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(プロフ) - 蒼霧零夜さん» 初めまして、いつもありがとうございます!このような稚拙な作品ながら楽しんで頂けているようで非常に嬉しいです!後半に突入しましたので最後まで楽しんで頂けるように頑張ります! (2019年7月14日 19時) (レス) id: 1ae1c9db61 (このIDを非表示/違反報告)
蒼霧零夜(プロフ) - 初めまして、蒼霧零夜です。何時も楽しくこの作品を読ませて頂いています。これからも、更新を楽しみに待っています! (2019年7月14日 19時) (レス) id: 1854068e39 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あざる!さん» ご指摘くださりありがとうございます。私が操作している訳ではないのですが、更新するとそうなってしまうようです。今まで指摘もなくこちらとしましても特別不便なことはないので放っておいていました。正しい作成日時はこのページの一番下に記されております。 (2019年7月6日 22時) (レス) id: 1ae1c9db61 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 草神 桜月さん» 嬉しいです!イメージは日常なのであまり勢いづかないように書くよう心がけています。勿体無い程のコメントで非常恐縮です。ありがとうございます! (2019年7月6日 22時) (レス) id: 1ae1c9db61 (このIDを非表示/違反報告)
あざる! - いつも新着順に乗ってるんですけど、どうやってるんですか? (2019年7月6日 21時) (レス) id: bcf0550a7e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年2月26日 17時

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