《第四十六話》素直 ページ47
「いいか！！僕はAの料理だから食べたんじゃないからな！」
『はいはい』
Aの料理って……どこに意地張ってるんだ
無事食事も済み、俺はセベクのあんまりな感想にツッコミそうになっていた
まぁ、俺は寛容な大人だからな
子どものコントロールの難しい感情など優しく見守ってやろうじゃないか
あたりはもうすっかり夜
子どもが気軽に出歩ける明るさじゃない
「セベクは僕が家まで送ってやろう」
一応、これでもセベクさんは俺よりも年下だ
この時間はいくら近所といえども、危険は回避するべきだ
だが、マレウスさんの申し入れにセベクさんは顔をブンブンと横に振る
そりゃあもう、全力で
「いえ、若様の手を煩わせるほどでもありません！！」
『セベクさんや ここは素直に甘えとけー』
「うるさいぞ！A！」
「Aの言うとおりだぞ、セベク」
「分かり、ました……」
この差は何なんだろうか
手料理を振る舞った仲なのに、と俺は一人不貞腐れる
「そう拗ねるなA 今のセベクは素直になれないだけだ」
『そうだと、いいんだけどなぁ』
いつかセベクさんが俺をマレウスさんかのように慕う日など来るのだろうか
いや、想像できないな
ははっと苦笑いを浮かべ、二人を見送る
マレウスさんの魔法か何かでその姿はあっという間に消えてしまった
あっさりした別れだなぁと、少し感傷的な気分になりつつ、家に戻る
俺も身体だけは子どもだからな
長い一日もこれで終わりか、と腰を下ろそうとするものの、そうは問屋が卸さなかった
『なんだコレ』
出しっぱなしのティーカップを片付けようとして、底に小さな紙が挟まっていることに気づく
綺麗に折りたたまれたそれを丁寧に開き、その中身に思わず俺はふっと笑みをこぼす
『素直になる日も近いのかもな』
紙には幼い字で一言
“また食べに来てやろう”
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好好爺(プロフ) - うどん好きさん» コメントありがとうございます！ローマ字にハートマークが付くほど好きと言っていただけて、とても嬉しいです！さらなる形の好きを言っていただけるよう精進します！ (3月22日 18時) (
レス) id: 815d84dd9f (このIDを非表示/違反報告)
うどん好き - あ…Suki♡ (3月20日 18時) (レス) @page43 id: c2c019924f (このIDを非表示/違反報告)
好好爺(プロフ) - ネオさん» サーバーを重くさせないために適度な頻度でのコメント、心よりお待ちしております！！ (2月18日 2時) (レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
ネオ - これからも沢山コメントしますから覚悟してくださいね！！笑 (2月17日 22時) (レス) @page37 id: 6535e3ba88 (このIDを非表示/違反報告)
好好爺(プロフ) - ネオさん» 二度もコメントありがとうございます！笑って読んでいただけているということでこちらとしても作者冥利につきます！むしろ読んでくださっている方々にこちら感謝したいぐらいです。いつもこの作品を読んでくださりありがとうございます！ (2月15日 12時) (レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：好好爺 | 作成日時：2024年1月31日 9時
