【ツイステ】私と教育係 (ページ7)

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《第五話》ページ7

『大丈夫ですか？生きていますか？生きてませんね』

下手に関わりたくもないのでA自分にかけた防衛魔法を解いて、さっさと事故現場を後にする

私は何も見てない

絨毯に乗って突っ込んできた少年なんて知らない、と小さく呟きながら

「勝手に殺さないでくれ！」

砂煙の中から影が揺らめく

ケホケホと咳き込み出てきたのは例の絨毯で突進してきた少年

ぶつかる前まで綺麗に巻かれていたターバンはヨレヨレで

見るも無惨な姿だった

無惨な姿なのは持ち主も然り

『……ちっ』

「なんで舌打ちするんだ！？」

半泣きで近寄ってくる姿がAの父と重なる

思えば、髪色が似ているような……いや、気の所為か

「そういやお前の友達に絨毯が直撃しちまったごめんな」

少年の肩越しに覗くと、男たちは伸び切っていた

ついさっきぶつかったのにもう顔が腫れ上がっている

よほど勢いつけてぶつかったのだろう

Aが可哀想と思ったのは心のうちに留めておく

『いいよ別に友達じゃないし』

「でもお前にも迷惑かけたし」

少年は罰が悪そうに頭を掻く

後ろで絨毯も申し訳無さそうに布を丸めていた

『(罪滅ぼしをしたいのか)』

少年の瞳が揺れる

じんぐりと観察していたAは結論づける

それにしても罪滅ぼしか

簡単なお手伝いをさせるものとかがいいな……

Aは考え込むと、あっと思いつく

『本を売ってる雑貨屋に案内して』

「それだけでいいのか？」

『充分』

「分かった熱砂の国一の雑貨屋に案内してやるぜ！」

『近場で大丈夫』

この街はオレの家と同じだからな！と少年は元気に歩き出す

その後をAがトコトコと着いていく

「ここだ！」

『おぉ……！』

思っていたより立派な場所に心が弾む

『ありがとう少年……！』

「あぁ！いつでも頼ってくれていいんだぜ！」

少年を後にして、Aは蔵書の山に飛び込んだ