《第四話》 ページ6
「おい、嬢ちゃん 聞いてんのか?」
『聞こえない』
「聞こえてんじゃねぇか!」
相手は5人
それも大柄な男たち
それに対して私はピチピチで幼気な4歳
Aは相手と自分が戦うシミュレーションをする
『(勝ち筋が見えない……)』
真っ向からの戦闘は無理だ
諦めは早々についた
となると、選択肢は他の人に助けてもらうという手もあるが……
『(果たして見ず知らずの美少女ロリっ子を助けてくれるバカなんているものだろうか)』
いたとしてもその人は果たして安全なのだろうか
アジーム家の三女であることを明かせば、金目的で助けてくれる人はいそうだが
生憎この状況はお忍び。私の身元を明かすわけにはいかない
今回のことを父さんにバレたら泣き縋られる。その相手をするのは非常に面倒くさい
Aは思考を放棄する
詰みゲーだ
このままだと助けてもらえない
運良く助けてもらえたとしても、その人が
私が、
私を構成する全てが、可愛いばかりに……!
こんな無慈悲なことがあるなんて……!
Aが覚悟を決めたときだった
「うわぁ〜!!」
どこからか困ったような少年の声が
辺りを見渡すもそれらしい姿はない
「待ってくれ、絨毯〜!!」
声がどんどんと近づいてくる
すると顔に影がかかった
『(……影?)』
もしかして、と思い、上空を見上げると
「どいてくれ〜!!」
そこには絨毯に乗った少年が
どうやら絨毯が暴走しているらしく、こちらに突っ込んできた
なんで絨毯が?とツッコむ暇もなく、慌てて自分に防衛魔法をかける
「「「うわっ!!」」」
絨毯はそのまま私の前にいた男たちに突っ込んでいった
辺りに砂煙が立ちこめる
『一体、何がどうなっているんだ……』
再びAは呆然と立ち尽くした
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作者名:好好爺 | 作成日時:2023年12月1日 18時