【ツイステ】私と教育係 (ページ15)

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《第十三話》ページ15

アジーム家には数え切れないほど兄妹がいる

実際兄はまだ何人かいるそうだし、姉はAが三女なので二人はいる

下の兄妹はこれからも生まれる可能性しかない

そんな大量の兄妹たちと一緒にいるのは難しい

ましてや生まれてずっと、なんて

何しろ数が多い

ではどこで彼らが知り合うのか

答えは簡単、社交界や普段の生活だ

すれ違ったり、親や従者が仲を取り持ってくれる

普通ならそこで知り合うことができる

そう普通(・・)なら

生粋の本の虫であるAは残念ながらその枠に入ることができなかった

両親から呼ばれる事以外で自室から出たことがない

本当は社交界も出なければ行けないが、勉強の為という理由で出たことがない

その結果、多くいるはずの兄妹を誰一人として知らない

そんな現状。だからこそ、Aはビビってた

「ま、そんなわけだ！よろしくな！ A！！」

『よろしく……』

この陽キャ過ぎる長男に

Aは社交界のような場所を好まない。理由はうるさいから

だからこそ、静かに読書ができる自室を気に入っていた

でも、カリムのような兄妹がいるならこの自室も安全とは言えない

ノックせずにドアを開けられてしまうのだから

『(どこか他に読書スペースを見つけなければ)』

Aの今後の方針が決まった

「で、逆にAはどこの子なんだ？

父ちゃんが簡単に医者のおっちゃんを出してくれたし、知り合いか？」

Aは返事に困った

というのも、できることなら平民です、と言ってのけたい

そしたら変に絡まれなくて済む。読書ができる

でも、もしこの家で遭遇してしまったら……

考えただけでも恐ろしい

さすればこのまま妹とバレない内にお暇して＿＿＿＿

そんなことを考えている時だった

「カリム、お前の妹だぞ」

『(こいつ、私の心境を分かっていながら……！！)』

少年は目を合わせるとしたり顔をしてきた

『……許さない』

「ハッ」

カリムに聞かれないように私は少年と冷戦を繰り広げる

「A！お前、オレの妹なのか！」

『A・アジーム……です』

まともな挨拶なんてしたことがないので適当にペコッとお辞儀する

一方カリムはAの挨拶を聞いて気になるところがあった

「(A、か

う〜んどっかで聞いたことある名前なんだよなぁ

なんだっけ……

ま、そのうち思い出すだろう！！)」