【ツイステ】私と教育係 (ページ14)

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《第十二話》ページ14

「俺は＿＿＿＿」

「おっ！起きたのかA！」

少年がAに返答しようとした瞬間、ノックもなしに急に部屋のドアが開く

ババーンと効果音が付きそうな登場をしたのはカリム

会話の山場だった二人から無言の視線を浴びせられる

『……』

「……」

「悪りィまたオレなんかやっちまったか？」

流石にヤバかったか？と反省するカリム

彼の無自覚な天然さにAと少年は顔を見合わせる

そしてどちらからともなく顔を背ける

『別に……』

「いつもノックしてからドアを開けろって言ってるだろう」

「ごめん！ジャミル！」

Aもびっくりさせてごめんな、とベットの側までやってくる

『平気それよりカリムはなんでここに？』

アジーム家に入れるなんて、よっぽどの財閥の息子なんだろうか

よく見れば綺麗なターバンをつけてる

「なんで？って……オレ、ここに住んでるからなぁ」

『従者ってこと……？』

半信半疑で尋ねる

するとカリム、それから黒髪の少年が笑い出す

「こいつが従者なわけないだろう」

「あっはっは！オレが従者か！それも面白そうだな！

今度やってみるか？」

「やめろ振り回されるこっちの身にもなってみろ」

カリムは飽きるほど笑う

どこにそんなに笑うところがあったのだろうか

Aは訝しげに二人を見つめる

一通り笑うと、カリムは咳払いを一つ

「ちゃんと説明してなかったな

オレはカリム・アルアジーム！このアジーム家の長男だ！」

長男？アジーム家の？

つまり私の兄ってこと？

……は、

『はぁああ！？』

Aは信じきれず、一抹の希望を持って少年の方を向く

「冗談だと思うだろ？」

『うん』

「それが冗談じゃないんだ笑えるだろ？」

『ははっ』

希望は簡単に崩れ去った

「二人ともあんまりじゃないか！？」

Aと少年の秀逸なやり取りに、眉をハの字にするカリム

可哀想だが、彼をイジるのが楽しいと思ったのはここだけの話