《第六話》縁の目には霧が降る ページ7
「……貴方、本当に遠慮がないですね」
『ふふっ、それほどでもないわ』
「褒めてません！！」
カラカラと愉悦に浸り笑うAに学園長であるディア・クロウリーはうんざりしていた
『ここはどこですか？ NRC？ 不思議な名前ね』
『この獣の種類ってご存知？』
『あなたの服ってオーダーメイドなのかしら？ 独特ねぇ……』
『ところで私、死にたてホヤホヤなの 珍しいでしょ？ ふふっ』
「ちょっと口を閉じてもらっても良いですか？」
『あらまぁ、私としたことがつい喋りすぎたわ ごめんなさいね』
迷子になるような新入生だ
この状況もよく分かってないんだろうと思い
「何でも質問してください！ 私、優しいので」
と言ったのが運の尽き
予想の斜め上な質問を何度も何度もしてくる
獣の種類なんて知りませんよ。あと死にたてホヤホヤって何ですか、怖過ぎます
クロウリーは止めどなく流れる一方的な会話に頭が追いついてなかった
『ところであなた、誰かしら？』
「そういえば自己紹介が済んでいませんでしたね
私はこの学校の学園長のディア・クロウリーです」
『ご丁寧にありがとう 私はAというわ よろしくね』
クロウリーとAはお互いに綺麗なお辞儀をする
「さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ
狸くんは私が預かっておきますから、早く闇の鏡の前へ」
クロウリーはそれまでAと繋いでいた手を放す
するとAは困惑したように一言
『鏡ってどこかしら？』
「いやそこにあるじゃないですか、見えてないんですか？」
クロウリーはもう一度闇の鏡を指差す
それでも、うーんと唸るA
眉をハの字に下げて困っているのが遠くからでも見えた
その様子についに痺れを切らしたクロウリーは再びAの手を繋ぐ
「もう、連れて行ってあげますから！」
『まぁ、ありがとう 将来は素敵な紳士になるわ』
「すでに成人済みなんですが！？」
『冗談よ あなたが立派な紳士ってことぐらい
たとえ、目が見えなくても分かるわ』
Aは悪戯っぽく笑うと、鏡につながる道を一歩、また一歩と進んだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 339人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
好好爺(プロフ) - ゆきっきさん» レスが遅くなってしまいごめんなさい、そしてコメントありがとうございます！自分の好みを追求した子なので気に入っていただけてとても嬉しいです！最近リアルの方が忙しくて更新できていませんが、「相変わらず忙しんだな、アイツ」と思っていただければ幸いです (1月14日 23時) (
レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきっき(プロフ) - 久々に好みな主人公ありがたいです！礼儀正しいく、頭も良いし、時々毒舌とちょっとした勘違い系がかわいい過ぎます！これからの更新を楽しみに待ってます、頑張ってください！ (12月29日 4時) (レス) id: e77387d96a (このIDを非表示/違反報告)
好好爺(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます！相も変わらず亀更新ですが、優しく見守っていてくれると嬉しいです！ (12月26日 19時) (レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - とっても好きですぅ、、続き楽しみです、！！ (12月26日 11時) (レス) @page22 id: bca7c667de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：好好爺 | 作成日時：2023年11月11日 9時
