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《第十三話》下手の考え ページ14

仮に地図にある場所だとしても、これだけの規模の学園を置く場所なんて

少なくともAのいた世界には存在しない


しかし一度死んだというのに、体は以前(クロユリ)の時と全く同じ

とても不思議なことが起こったわね


Aは他人事のように思う


「ぎえー!」


その時、考え事に珍妙な奇声が割って入ってきた

自分以外にこの寮には誰もいない

クロウリーは確かにそう言ったはずだ


幽霊や化け物の類に強いAは特に何も考えもせず、声の方に向かう

そこには先ほど追い出された獣、もといグリムがいた


「ちょっと外に放り出したくらいで、オレ様が入学を諦めると思ったら大間違いなんだゾ!」

『分かったわ 次からは尻尾でもちょん切るわね』

「冗談でもやめるんだゾ」


ぎゃっはっは!と元気に笑っていたグリムの表情が一変して真面目になる

聞き馴染みのある声に、ん?とグリムが反応する


「ってお前は…!」

『お前じゃないわ 自己紹介が遅過ぎたわね

私はA この寮を住まいとしている者よ』


丁寧にスカートの端をつまんでお辞儀をする

その綺麗な所作に、いち獣であるグリムも思わず見惚れる


『さて、挨拶も済んだし』


Aはそれまで地面につけていた杖で一つの水たまりを指差す


『お掃除のお手伝いをしてくれるかしら?』

「こんな雨漏り、魔法でパパーっと直しちまえばいいんだゾ

……って、オマエ魔法使えねえのか ププーッ! 使えねえヤツだゾ!」


グリムはそれだけ言うと部屋の奥へと消えた


『全くヤンチャ坊主ね……困ったわ』


Aもそれを咎めることはせず、床を雑巾で拭きバケツで雨漏りの被害を防ぐ










「ギャーーーーーー!!! おおお……お化けえええええ!!!」


今からグリムの悲鳴が聞こえるまで

あと数十秒

《第十四話》休むに似たり→←《第十二話》掃き溜めに鶴



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好好爺(プロフ) - ゆきっきさん» レスが遅くなってしまいごめんなさい、そしてコメントありがとうございます!自分の好みを追求した子なので気に入っていただけてとても嬉しいです!最近リアルの方が忙しくて更新できていませんが、「相変わらず忙しんだな、アイツ」と思っていただければ幸いです (1月14日 23時) (レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきっき(プロフ) - 久々に好みな主人公ありがたいです!礼儀正しいく、頭も良いし、時々毒舌とちょっとした勘違い系がかわいい過ぎます!これからの更新を楽しみに待ってます、頑張ってください! (12月29日 4時) (レス) id: e77387d96a (このIDを非表示/違反報告)
好好爺(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます!相も変わらず亀更新ですが、優しく見守っていてくれると嬉しいです! (12月26日 19時) (レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - とっても好きですぅ、、続き楽しみです、!! (12月26日 11時) (レス) @page22 id: bca7c667de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:好好爺 | 作成日時:2023年11月11日 9時

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