《第三話》 ページ4
「新入生が一人、ここから勝手に出たようなので連れてきます。 A、ここを頼みましたよ」
『はい』
寮分けが始まった。そして例年変わらないトラブルも始まった。
一昨年は気絶、去年は乱闘騒ぎ、今年は逃亡。
変わらないパターンにそろそろ入学式トラブルで賭け事ができそうとAは一人思う。
もちろんカモは学園長。主催者はオクタヴィネルが妥当か。
そんなカモは全くもう…と文句を言ってパタパタと鏡の間から出ていった。
新入生探し、ガンバ
Aは心のなかでエールを送った。
問題はついさっきクロウリーと行われた会話。ここを頼まれたというミッション。
流れ的に返事をしたはいいものの、この問題児共をまとめ上げるのだろうか。
答えはもちろん絶対に無理。ていうかやりたくない。断固拒絶。
Aは早々に諦めをつけた。
現在死者、負傷者は共に出ていないし、もし出そうになったら両者グーパンで制裁しよう。
どっちも問題と迷惑を起こしたのだから、面倒くさがりなAにとって、やりやがった奴は全員
加害者であることは間違いない。
うるさい小言、文句は言われないはずだ。
Aはそうして大人しく傍観することに決めた。いつでも振るえるよう拳を握りしめて。
「なぁ、なぁ。 オレと同じ新入生のキミ。 ちょっと相談があるんだけど……」
「……なにか言った？」
「……相談ていうのはさ、全員分の寮分けが終わるまで１回外出ちゃおうぜ」
Aの可愛らしい耳がピクリと動く。
声色、内容からして一年生。サボろうとしているのか。
今すぐ動かないと。
変なところで生真面目なAはその重い足を動かそうとする。
しかしそれは出来なかった。
「くふふ、あれが青春というものか。わしらにはちと眩しすぎるがのう。
Aもそう思わぬか？」
『……一体なんのマネですか、リリア……さん』
Aは心做しか、普段よりも忌憚のない口調で現れた相手に話す。
リリア・ヴァンルージュ。
ディアソムニア副寮長、年齢不詳、齢18歳にしてはどこか達観した思考の持ち主。
Aにとってその人は、
もう二度と戦いたくない相手以外の何者でもない。
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好好爺(プロフ) - 星詠みさん» コメントありがとうございます！！早速更新させていただきました！気づいたら亀更新してしまう作者なので度々教えてくれると助かります……！ (9月28日 23時) (
レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
星詠み(プロフ) - 続きいつでも待ってます‼︎ (9月28日 22時) (レス) @page17 id: 674129e800 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：好好爺 | 作成日時：2023年9月19日 14時
