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《第二十五話》 ページ26

この日、NRC某所では寮長会議が行われていた。
内容はもうすぐで行われるマジフト大会についてである。

Aはクロウリーの横にツンと立っていた。

普段から寮長会議の一言一句を完璧に書記し、もしものことがあったらのために備えている……





……のではなく目の前に広がる真っ白なメモ用紙にお絵かきをしていた。

というのもA、一度聞いたものを完全暗記するという得しか無い能力を持っていた。

やはりデキる男、A。便利な機能を持ち合わせている。


だからといって絵を描くのはいかがなものか。

だが絵の完成度はやはり完璧。クロウリーの無機質な仮面を見事に描き上げていた。


「さて、次に対戦表の話ですが……私からひとつ提案があります。

今大会から、ディアソムニア寮寮長……マレウス・ドラコニアくんを殿堂入り選手とし出場を見合わせてもらおうかと思うのです。」


寮長会議の話は進んでいた。

Aはクロウリーに視線で資料を出せと言われる。
しぶしぶお絵かきしていた紙を裏面にひっくり返しみんなに見せる。


「ドラコニアくんが入学して以来、ディアソムニア寮に当たった寮は全て無得点のまま完敗。 ディアソムニア寮の得点は100点を超え、そしてその9割以上は彼が1人で決めた得点です。」


Aの持つ重要資料(おえかきノートの裏面)には昨年のマジフト大会の得点率がズラリ。

ランキング順で表されているのだが、一位は噂のマレウス。二位との差は圧巻としか言いようがない。

Aは昨年この表を作った時、自分がミスをしたんじゃないかと目を疑った。

誰だってありえねー脅威の得点率だったらビビるし。Aも所詮は人間。ミスぐらいはする。

その後何度見合わせてもこの結果。Aは自分の手違いでないことにホッとした。
それと同時にとんでもない次世代が来てしまったものだと複雑な思いも抱えた。

クロウリーは煽るように捲し立てた。

Aとしても聞いていてもどかしく感じたが、それは学生の頃の自分だったらの話。
今は隣の仮面野郎を支えなければいけないという役割。

昔とは立場が違う分、そう簡単に文句は言えまい。

だから心のなかででも呟こう。


「……俺はな、学園長(センセー)“お前は絶対に一番になれない”ってハナから決めつけられることがこの世で一番嫌いなんだよ」

『……!!』


Aは聞いて驚く。

レオナが言ったその言葉こそ、Aの思いだった。

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作品ジャンル:ギャグ
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好好爺(プロフ) - 星詠みさん» コメントありがとうございます!!早速更新させていただきました!気づいたら亀更新してしまう作者なので度々教えてくれると助かります……! (9月28日 23時) (レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
星詠み(プロフ) - 続きいつでも待ってます‼︎ (9月28日 22時) (レス) @page17 id: 674129e800 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:好好爺 | 作成日時:2023年9月19日 14時

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