《第二十三話》 ページ24
『後片付けは自分がしますので生徒の皆さんは下がっていてください。
学園長、話は後で聞きますので今は生徒に指示を』
Aは杖を構えるとシュルシュルと薔薇の庭を元に修復していく。
オーバーブロットが起きた痕跡をまるで無かったかのように。
その横でうるさくカメラを構える者が一人。
「クローバー君見てください。 うちの子、シゴデキ過ぎませんか……!!!」
「あはは……」
『クローバーさん。 そこのサンドバック、殴ってもいいですよ』
「もはや人間ですらないあだ名……」
トレイやユウを筆頭に苦笑いが広がる。
とてもオーバーブロットが起きた現場とは思えなかった。
「トレイはリドルくんを医務室に運んできて。
……オーバーブロットしちゃったわけだし一度先生に診せたほうがいい」
「コホン。ダイヤモンドくんの言う通りです。私も付き添いましょう」
「……はい。ありがとうございます」
学園長たちはこうしてリドルを連れ、現場を離れた。
Aは魔法でその場の状況を写真に撮ったり、メモをする。
その一方で、
「うう、いっぱい魔法を使ったら腹が減ったんだゾ〜……ん? コレは……
コレ、ドワーフ鉱山で落ちてた黒い魔法石と同じヤツなんだゾ!」
「本当だ。どこから落ちてきたんだ?」
「今度は食うなよ」
「一度食べたら忘れられないあのお味! いっただっきまーす!
はわぁ〜……! こってりとした甘味がありながらほんのりとビターな香ばしさを感じさせるお味!このあいだのヤツとはまた違った旨味がある石なんだゾ!」
小さな珍事件が起きていた。
『念のため教育省や魔法省にも連絡しておきました』
その日の夕食の時間、Aはクロウリーにその後のことを報告していた。
クロウリーは思わず持っていたカトラリーを落とす。
「報告しちゃったんですか!?」
『当たり前でしょう。 逆に隠蔽したら後々面倒になるのが目に見えてるじゃないですか。
自分が偉い立場なら絶対に学園長の首をやってますね』
Aは親指を立て首の前でグイッと切るようなジェスチャーをする。
「あの、私怨が籠もってるように感じるんですが……」
『ご想像におまかせします』
その日の食事は味がしなかったとクロウリーは語る。
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好好爺(プロフ) - 星詠みさん» コメントありがとうございます!!早速更新させていただきました!気づいたら亀更新してしまう作者なので度々教えてくれると助かります……! (9月28日 23時) (レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
星詠み(プロフ) - 続きいつでも待ってます‼︎ (9月28日 22時) (レス) @page17 id: 674129e800 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:好好爺 | 作成日時:2023年9月19日 14時