《第二十一話》 ページ22
『バカなんですか、いやバカなんですね。 すこぶる呆れました。』
とある日の朝。Aは今日もオンボロ寮に来ていた。
ただいつものように無愛想で人に興味が無いような表情ではなく、冷徹で虫を見るような目と言ったほうが近い。どちらも好意的には到底思えないものだが。
「お、怒ってるんだゾ！オレ様、何も悪くないんだゾ！」
『ではお尋ねしますが……この超キュートな首輪は一体どこで手に入れたのですか？』
「うぐ……」
Aはグリムに掛けられた首輪をピンっと指で弾く。
加えて、その様子を写真に撮るのも忘れない。ロック画面のバリエーションがまた一つ増えた。
事情は聞いた。
寮長のご機嫌を取るためにみんなでマロンタルトを作ったそう。
努力はそれとして、かの寮の特殊ルールがそれを許さなかった。
大人しく反省すれば良いものをユウ達は反駁したらしい。
それがこの姿。ザマァない。
「まぁまぁ。その辺にしておいて……」
『ユウさん。あなたもです』
「へっ！？」
急な飛び火にユウは面を食らう。
確かにみんなが首輪がついたのはマロンタルトがキッカケで、それを作るのをユウは手伝った。でもそんなに怒ることがあっただろうか、と思案する。
はぁ、とAはため息をつく。
『いいですか？あなたは魔法が蔓延るこの世界で魔法が使えない方なのです。
今回は良かったですが、もしものことがあったら……！
盾としての自分は意味を成さないではないですか！！！』
ユウはここまで怒った様子のAを始めてみた。
それが怖いと思った。
でも同時にAが自分を酷く心配してくれているのも分かった。
「ふふっ」
『笑い事ではないです』
Aに頭をチョップされる。でもそれも痛くなく、窘めている風で。
ユウは終始、笑みを隠せなかった。
『仕方ありません。ユウさんコレを持っていてください』
「コレは……？」
ユウは一枚の黒ずんだカードをもらった。
まるでトランプに墨をぶちまけたかのようなソレに疑問を持つ。
『それは一種の召喚術です。イデアさんなら分かると思いますが……ってこの場にはいませんね。なんでもありません。
そのカードを破ると自分をユウさんの元に召喚することが出来ます。
一度キリしか使えないので、普段は慎重に保管しておいてください』
ユウはそのカードを大事に大事に持った。
愛しい人をハグするかのように。
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好好爺(プロフ) - 星詠みさん» コメントありがとうございます！！早速更新させていただきました！気づいたら亀更新してしまう作者なので度々教えてくれると助かります……！ (9月28日 23時) (
レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
星詠み(プロフ) - 続きいつでも待ってます‼︎ (9月28日 22時) (レス) @page17 id: 674129e800 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：好好爺 | 作成日時：2023年9月19日 14時
