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《第二十話》 ページ21

この日、Aは約束を果たすためにリリアの元に来ていた。


そう、例のクラファミで戦い合うために。



『リリアさん、いますかぁ』

「少々待て!今、部屋を片付ける!」

『入りますねー』

「聞いておったか??」



白々しく聞いてなかったフリをして、ズカズカと入ってくるAにリリアは思わずツッコんだ。


いつもの礼儀正しいAはどうした。今すぐ猫を借りてこいと。いやすでに猫か。



ディアソムニア生って相変わらず排他的な生徒が多いですね、と拗ねるA。


リリアはその言葉に申し訳無さそうに肩をすくめる。



「だからお主はオクタヴィネルという寮を新しく作ったのか?」



Aはその言葉に一瞬キョトンとした。そして些末なことのように言いのけた。



『確かに自分は闇の鏡に最初ディアソムニアに選ばれましたが、寮を新しく作ったのはそれが不満だったからというより……。




……ただ単純に金魚の見れる寮を作りたかったんです』




次にキョトンとしたのはリリアの番だった。


「金魚ってあの赤いやつか?」

『はい。 赤くて泳ぐやつです』


海の魔女の小さなファンだったことも大きいですがと付け足す。


「くふふ、これほどまでに豪胆で愉快な奴がこの世にまだいようとは。

見直したぞ、A。



これからはお主ともっと仲良くなりたい。

ぜひ、その堅苦しい喋り方をワシの前では外してくれぬか?」





『……仕方ないなぁ。 いいよ、外してあげても』

「ふふ、お主にはその喋り方の方が似合うぞ」


さて、ゲームをするぞ!と張り切るリリアにAは驚きが隠せなかった。




似合う?この喋り方が?





……そんなの、初めて言われた。





ずっと引きつっていた真顔が眉を下げ、柔らかく花のように微笑む。





翌日の朝、Aは思った。




ゲームよりもこの会話が心地よかったな、と。

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作品ジャンル:ギャグ
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好好爺(プロフ) - 星詠みさん» コメントありがとうございます!!早速更新させていただきました!気づいたら亀更新してしまう作者なので度々教えてくれると助かります……! (9月28日 23時) (レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
星詠み(プロフ) - 続きいつでも待ってます‼︎ (9月28日 22時) (レス) @page17 id: 674129e800 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:好好爺 | 作成日時:2023年9月19日 14時

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