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《第十二話》 ページ13

「今日のお仕事は学園内の清掃です。

……といっても学園内は広い。魔法なしで全てを掃除し終えることは無理でしょう。
ですので、本日は正門から図書館までのメインストリートの清掃をお願いします。

いいですか、ユウくん。
昨日のような騒ぎを起こさないよう、グリムくんをしっかり見張っていてくださいね」

「わ、わかりました」


Aから学園長室に案内され、学園長からそんな言葉をかけられた。

こんな僕にできるのだろうか。そんな気弱な考えで学園長室から出る。


『どうかしましたか?』

「あ、Aさん……」


出た先にはAが待っていた。


ユウがうつむいた顔を上げると目の前が霞んで見えた。

Aはハンカチでそれを拭ってやると、黙ってユウの着るシャツからネクタイを取った。


「えっ……?」

『……背筋をしゃんと伸ばしていただけますか?』

「は、はい!」


続いて、手慣れた手付きで自分のつけていたネクタイをユウにつけた。

紺色の生地に金のチェックが施されていた。


最後に見栄えを調整したAはささやいた。


『本来、学園長秘書である自分が一人の生徒に肩入れするなと思われますが、
ユウさん。あなたは生徒じゃないのでセーフですね』


つけられたネクタイとその言葉でユウはその意味を理解してしまった。

ネクタイを渡す意味には“あなたに夢中” “束縛させて” “あなたに首ったけ”などがあるが、


この場合どれでもない。



きっとそれは他の変な輩を近づけないための印。


だからこそユウは思ってしまった。


「こんな僕でいいんですか?」


今にも泣き出しそうなユウにAは鷹揚に話す。


『こんな、なんて言わないでください。 自分が決めたことなので』

「ふふっ、素直じゃないですね」

『……黙ってください』


ユウはAからこの世界で生きることへの勇気をもらった。


早速、学園長の言いつけどおりメインストリートへと向かった。

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作品ジャンル:ギャグ
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好好爺(プロフ) - 星詠みさん» コメントありがとうございます!!早速更新させていただきました!気づいたら亀更新してしまう作者なので度々教えてくれると助かります……! (9月28日 23時) (レス) id: eeb0faecb7 (このIDを非表示/違反報告)
星詠み(プロフ) - 続きいつでも待ってます‼︎ (9月28日 22時) (レス) @page17 id: 674129e800 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:好好爺 | 作成日時:2023年9月19日 14時

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