【大幅修正入ります】最強鉄拳をお望みですか？【ONEPIECE】 (ページ6)

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まるで一人で生きられる、と言わんばかりに何にも執着しないスタンスは変わらないが、女が青年と関わり年を重ねる度に身に染み入る感覚として解る女の感情は、青年には掴みどころがないように思えて未だに全てを分かることは叶わない。
それでも、この女の根底にあるやさしさに、いつも触れていたのだ。

「…お前も、早いところいい男見つけろよ」

「女じゃいけないのか？私はどっちもいけるぞ」

「これ以上見目麗しいお嬢さんをテメーに取られてたまるか！！…そうだな、オメーは…」

そうだ、この女にはどんな男が似合うだろうか。

荒っぽくて、すぐに手が出て、いつも日陰にそっと佇んでいて、不器用で、誰よりもやさしさを隠そうとするこの女は、どんな人間と唯一同士になれるだろうか。まるで黄昏のように、日陰から日の当たるところをぼんやりと見ている日々から連れ出して、どこよりも温かい日なたのところに連れ出してやってくれる男は、一体どこにいるだろうか。

俺はソレになれなかったが、どっかの誰かはコイツを幸せにしてやってくれるだろうか。

ぽやぽやと酔いの滲む顔色でピーナッツをかじる愛らしい横顔を眺めながら、重い”正義”を今だけは外した青年は思案した。誰よりも幸せになってほしいと思えるこの目の前の人間を、どうしたら目に黒光りする孤独から解き放ってやれるのだろう。
女の背負っているものすら知らない青年には、それもとんと想像がつかない。この女は時折、永久に孤独を受け入れてきたような表情をする。それに尽きるを是とする信念は、到底青年が摘み取ってやれるものではない。

女の水面に愛を浮かべる人間は大層いただろうが、女はそれを水底から眺めているだけだった。綺麗だな、見てみろよ、と、青年にそれを見せた。掴もうとはしなかった。ただただ愛おしそうに、自分に向けられた愛を俯瞰して眺めていた。

やれ女にフラれた男にフラれたとぴぃぴぃ泣いて浴びるように酒を飲む日があっても、女の心の柔いところを握りつぶされた時のような心からの激情の現れを青年は見たことはなかった。ただただ悲しげに、「仕方ないさ」と笑うのだ。青年はそれにいつも喉元を掴まれるような心持ちをしていた。

そんな孤独から救ってやれる男を、青年はなんとなく探していた。確固たるイメージがあるわけではない。

ただ一つ、この女の隣にいる人間に色をつけるなら、太陽のようなオレンジが似合うだろうとは思った。