本当はね？-Hiroomi .T-

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誰より早くスタジオについて、残っていた資料をまとめる



登坂が配慮してくれたおかげで、だいぶ私に回ってくる仕事は減った





でもまぁ、今は忙しい方がいいんだけどね






そんなことを考えていると、スタジオの扉が開く






...振り向きたくない






でもいつの間にか、目を瞑ってないのに視界が黒くなる





｢え、あ、あの？｣





｢だ〜れだ｣





そういった声は優しくて、すぐに誰か判別がつく





｢剛典さんですか？｣




そう言うと私の目から手を離して せいか〜い
と微笑む






私、一応緊張してたんだけどなぁ





｢凛ちゃん硬すぎ｣




｢でも...｣




｢俺は凛ちゃんの笑った表情が好きだから｣







そう言っていつも通りに頭を撫でてくれる




撫でるの好きなのかな？


私も撫でられるの好きだけど







でもやっぱり子供扱いされてる気分







｢朝から熱いな〜まぁ冬だから丁度いいけどね｣





そう言って扉の間から顔を覗かせたのは、口が緩んでる直人さん





｢ち、違います！そんなんじゃないんで！｣





ほんとに〜？なんていいながら入ってくる直人さんの後ろ






｢...登坂｣





｢...｣





ダメだ、目、合わせられない
昨日あれだけ剛典さんが慰めてくれたのに





夢はいつか覚めるもので


現実に引き戻されると、やっぱりキツイ







そう思って、私が俯いてると頭に重み


また剛典さんかな？って思ったけど、
手が冷えてて、先ほどの剛典さんとは体温が違い過ぎる






｢凛ちゃん、今からダンスするからさ、飲みもん買ってきて？｣






｢...え、あ、はい...わかりました｣








さっきの手、直人さんだったんだ









助かった
あのままいたら、きっと涙でてたかもしんない







あとでお礼言わなきゃ









そう思って販売機まで走る、

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