▼ ページ39
．
みんなに協力してもらう日々が始まってからもう数週間が経った。
たまに「最近どう？」と聞かれることはあるけど、基本的にはその話題に触れることはなく、私が不安に思わないように配慮してくれていた。
「これ、なんですか？」
AD「あ、嶋田さんが先程いらっしゃって、白岩さんにって置いて行かれましたよ」
全員揃っての音楽番組の収録で、楽屋に入ると丁寧に包装された小包が置いてあった。
半年前にロケで御一緒した俳優さんからの差し入れらしく、連絡先も交換していないからあれからやり取りもなかったのに急にどうしたんやろうか…
謙「ええな〜Aちゃんだけプレゼント！」
駿「それめっちゃ並ぶって噂のカステラですよ、テレビでやってんの観た」
「まじで？私がカステラ好きなん知ってくださってたんや〜」
駿「たしかに、Aちゃんがカステラはまってるの最近ですもんね！」
「ほんまやな、なんかのテレビで言ったの見てくださったんかも！みんなで頂こ〜」
少し胸がザワザワしたけど、マイブームのカステラに舞い上がって、包装を剥がしていると知らない番号からの着信があった。
「…もしもし？」
−あ、白岩さんのお電話ですか？嶋田です！
「あぁ、嶋田さん！
カステラありがとうございます！今ちょうど開ようとしてて」
−カステラお好きって聞いたので、喜んでいただけで良かったです！…すみません、1つだけ渡しそびれたものがあって、ちょっと来ていただくことってできますか？同じフロアの楽屋なんですけど、今ちょっと出れない状況で…
「もともとお礼に伺おうと思ってたので、大丈夫です！今から行きますね〜」
謙「え〜！行っちゃうん！カステラ食べたいって〜！」
駿「ちょっとくらい我慢できんのか」
「ごめん謙杜、先食べてていいから！」
和「1人で行くん？」
「すぐそこやし、局の中やから大丈夫！」
大「携帯は持って行きや」
なんだか不安げな大橋くん、みっちー
机に置きっぱなしのスマホを私に差し出す大ちゃん
相変わらずDAZNに夢中で話を聞いてない丈くん
携帯片手にうたた寝をする恭平
インスタのストーリーを作る流星
箱の蓋を止めているシールを一生懸命剥がす謙杜
暫く動きがなくてみんな油断していたんだと思う。
誰もがこの瞬間に戻れと後悔する出来事が起こるとも知らず、私は嶋田さんの楽屋へと急いだ。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 725人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めし(プロフ) - Rさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(՞ ܸ. .ܸ՞) (11月11日 15時) (
レス) id: 59e06294b0 (このIDを非表示/違反報告)
R - ヤバい泣いた、最高でした (11月10日 21時) (レス) @page43 id: 7d7d39f908 (このIDを非表示/違反報告)
めし(プロフ) - えむちゃんさん» 温かいメッセージありがとうございますᴗ ᴗ ♡次作も是非よろしくお願いします𖤐 ̖́- (10月1日 22時) (レス) id: 59e06294b0 (このIDを非表示/違反報告)
めし(プロフ) - サエさん» マロの方にも送って下さりありがとうございます(˶՞･֊･՞˶)コスプレ名言学園とかでギャルになったお話書いてみますね- ̗̀☾ ̖́- (10月1日 22時) (レス) id: 59e06294b0 (このIDを非表示/違反報告)
えむちゃん(プロフ) - とっても大好きな作品です♪新しい更新楽しみにしてます♪ (9月30日 17時) (レス) id: f39b1306e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めし | 作成日時：2023年8月15日 0時
