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−広臣side
A「伶菜ちゃん、Flowerのヴォーカルになったんだよね?夢叶えたって(^^)」
さっきから…
彼女の発言に、動揺を隠せない。
伶菜がオーディションに受かったことは、もちろん知っていた。
同じ事務所に所属したのだから、嫌でも顔を合わせることだって多々あった。
だけど…
あのとき2人で交わした約束を、どうしてAちゃんが知ってるんだろうか…。
広臣「あの…どうして、そのこと…?」
恐る恐る俺が訊ねると、
A「…あぁ…(笑)」
彼女は笑って、おもむろに口を開いた。
A「彼女ね、隆二のこと呼び出して胸の内を明かしたって…。『もう戻ることはないだろうし、報われないってわかってるけど、せめて約束だけはちゃんと果たしたい。歌が好きな気持ちは変わってないから』って。『たとえよりを戻せなかったとしても、この想いが変わることはないから、せめてそばで見守りたい』って…。だから、Flowerのオーディションを受けたんだって(^^)」
(本気だったのか…)
言葉が出てこない…。
Aちゃんへの嫌がらせのために、
それを口実にして、振り回してるだけかと思ってた。
Flowerのヴォーカル『鷲尾伶菜』として、今こうして活躍してるのも、
正直、あの件があったから…
素直に祝ってやることができなかった。
だけど…
あの約束を、あいつがまだ憶えてたなんて…。
…でも、
広臣「悪いけど…俺はもう、本気で戻るつもりはないよ。伶菜とは…」
決心した俺の思いは変わらない…。
A「臣くんがそう思ってるなら、それでもいいと思う。でも…伶菜ちゃんの気持ちだけは、きちんと受け入れてあげて?『また前みたいに仲良く話せるようになりたい』って、きっとそう思ってるはずだから(^^)」
(ほんとに…人が好すぎるな(笑))
改めて、Aちゃんの優しさを実感した。
広臣「ちゃんと話し合ってみるよ。ありがとう(^^)」
心から、彼女に感謝した。
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Risa(プロフ) - めぐおみさん» はじめまして(^^)コメントありがとうございます!たいしたことないですが、私の小説で少しでも幸せな気持ちになっていただけたなら嬉しいです。よかったら、新作もよろしくお願いしますね♪(笑) (2016年10月19日 19時) (レス) id: 29dc7e131b (このIDを非表示/違反報告)
めぐおみ(プロフ) - 初めまして(^^)臣くんのファンです。色々小説を探していて、こちらに辿り着きました。文章もすごく丁寧で、内容も素敵で、一気に全部読んじゃいました。最後はうるうるしながら。臣くんファンだけど、この結末で良かった!温かくて優しい小説をありがとうございました! (2016年10月15日 9時) (レス) id: 16e51c0564 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいみにー - めちゃくちゃ良かったです!終始ウルウルしてしまいました!(笑)あたしも隆二ファンなのでどうしても戻ってほしかったのでハッピーエンドで嬉しいです(;_;)読みやすく、わかりやすい文章ですごく好きな小説でした! (2014年1月28日 2時) (レス) id: f9f8bc7233 (このIDを非表示/違反報告)
Risa(プロフ) - キャレンさん» やっと!本当にやっとです(>_<)お待たせしてしまい申し訳ありません(;_;) (2013年10月28日 12時) (レス) id: c90b8b0fbe (このIDを非表示/違反報告)
キャレン(プロフ) - やっと出会えましたねー!!よかった^^ (2013年10月27日 16時) (レス) id: 57d916f15b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Risa | 作成日時:2013年10月14日 18時